過去ログ - 岸波白野「もう少しあがいてみる」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/28(火) 02:20:45.16 ID:B3gqLEaT0
「駄目ですよ、センパイ」
「センパイが死んじゃったら、何にもならないじゃないですか」
「大体、ここに来て、センパイに何が出来るんですかぁ?」
「私がその性格悪いサーヴァントが防御壁に穴開ける時間は稼いであげますから」
「だから、お願いだから、黙って、そこで守られててくださいね…!」
絶望的な光景だった。視界一面を染める赤い色。
ゆっくりと広がり、中枢の異物を消去する壁の前に立ち、必死にそれを押しとめようとする少女。
私はその少女の事を知っている。 聖杯戦争参加者の健康管理AI、桜の同型機で、今回の事件を引き起こした張本人。
幾多のサーヴァントを取り込み、ムーンセルの中枢を侵した月の癌。 私との思い出の為にその身を削りながら中枢を目指した少女。BB。
圧し掛かる圧倒的な重量に体を軋ませ、体を構成するデータを焼かれ、それでもBBは引こうとしない。
それは、まるで砂漠に水を撒く様な詮の無い行為。
無限に広がる砂漠はどこまでも貪欲に彼女のデータを吸い尽くし
砂漠に撒く為の水は有限で、しかもそれは彼女の存在そのものと同義だった。
「――桜ぁ!」
駆け寄ろうとした足が動かない。
縛めを解こうと足掻く為の腕が動かない。
今の私に出来るのは、彼女の名前を呼ぶ事だけ。
「――はい。センパイ大好きですよ」
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2013/05/28(火) 02:45:29.57 ID:B3gqLEaT0
月の表側と裏側の境目、多分それが今私が居る場所
桜がムーンセルの消去プログラムを押し止めて
ギルガメッシュが行く手をさえぎる壁を切り開き
そして私はここにいる。
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2013/05/28(火) 03:02:36.29 ID:B3gqLEaT0
いっそこのままムーンセルのペナルティで消えてしまおうか
それとも死んで
――ああ、そうだ。以前ギルガメッシュは私に言った。
『もう何も無いと言えば首を撥ねてやる』
まさに今の私がそうじゃないか。もう私には何も無い。
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2013/05/28(火) 03:28:11.88 ID:B3gqLEaT0
一頻り泣き終えた後、名前を呼ばれて、私は立ち上がる。
どうするつもりだと問われて、当たり前の様に答えた。
「表側に戻るよ。そして、最後まで勝ち上がる」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/28(火) 10:31:44.12 ID:dWf7GlTro
期待
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/28(火) 10:32:05.32 ID:lU9I2N4To
期待
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 00:56:04.68 ID:vGDTcBxS0
――繰り返します。聖杯戦争参加者は、速やかに表側に復帰して下さい。
繰り返される言葉に促され、遥かに霞む光の方へ、私は足を踏み出した。
初めて抱いた願いはこの胸に。既に決意は終えていた。
後は、表側に戻る為に、あの光をくぐりさえすれば――
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 02:08:58.55 ID:vGDTcBxS0
「どうした雑種。元より貴様の命は我の物だ。いらぬと言うのであれば、その様に扱ってやろう」
ギルガメッシュの言葉に虚飾は存在しない。彼がそう言うのであれば、言葉通りの行動を取るだろう。
抜き身の刃物を突きつけられた様な感覚。自分の言葉の一片が、即座に死を運んで来兼ねない状況。
ああ、思えば出会った時もそうだった。無限に広がる虚数の空間で。あるいは旧校舎で再会を遂げた時に。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/31(金) 23:38:49.83 ID:PY1wUt4S0
分からない。
そうかもしれないし、もっと別の理由があるのかもしれない
けれど――ああ、そうだ。彼女達は確かに生きていた。
迷宮の奥で触れたその心は幼い物であっても、確かに心を持って、そして私の為に何かをしようとしてくれた。
自分の事すら思い出せず、聖杯にかける願いさえ無い岸波白野と言う存在の為に。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/01(土) 00:06:49.10 ID:zbYZqhww0
「確かに不穏な物を感じたが、今は特に許す」
「我が言った通り、我を除いてこの世に完全な物は存在しない」
「よってその不完全さが故に貴様らは生きている限り理不尽と言う概念からは逃れられん。」
「不完全な部分に触れる度に感じるはずだ。『何故この世はこうでないのか』とな」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/01(土) 00:33:24.85 ID:zbYZqhww0
「腕を出せ、雑種」
言われるがままに差し出した私の腕を引き、私の手の甲にギルガメッシュが無造作に掌をかざす。
すると私の手が、俄かに眩い光を放ち
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/25(火) 22:03:43.93 ID:a5LRBUXwo
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