過去ログ - 【安価】エレン「オレが最強の兵士に?」アルミン「家族になりたい」3【育成】
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993:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/30(木) 08:17:24.86 ID:+HT0fDRq0
場所はADGI神奈川県支部。
パソコンとにらめっこを続けていた井上稔(ADGI・元神奈川県平沢市立菊谷中学校3年A組男子2番)はポケットから煙草を取り出し、それを咥えた。
坂出慎(故男子5番)が吸っていた物と同じ銘柄のものだ。
麻生咲(故女子1番)が『煙草は二十歳になってから!』と昔慎に説教していた記憶がある。
なので、稔は20歳で初めて煙草を吸った。
まあ、その話は今はいい。
「なぁ、おっさん…
 まだ始まって2時間なのに、もう7人も…」

おっさんこと大槻正樹(ADGI)が2人分の鍋焼きうどんをお盆に乗せて慎重に歩いてきた。
大槻は稔が今見ている画面――今やっている茨城県北浦市立桜崎中学3年1組のプログラムのタイムテーブルだ――を覗き込み、険しい表情を浮かべた。

「…早いペースだな…
 土方君は?」

「アイツは死んでねーけど…
 まだ通信の準備はできてないみたいだな」

稔と何度かメールを交換した事がある土方涼太(茨城県北浦市立桜崎中学3年1組男子13番)は、どうにかして(その辺の知識は向こうの方が上だからオレは知らん)連絡を取れるようにしてくれるらしい。

「…生徒資料にも機械いじりが得意、と書かれてるな、土方君…
 政府にも警戒されてるんじゃないか?」

「多分な…だから、首輪に盗聴器があるってことは伝えといたぜ。
 怪しい発言は控えてくれるはずだけど…」

 

「ねー、稔さぁん!
 何深刻な顔してるの?」

 

突然背後から明るい声が聞こえ、稔の分の鍋焼きうどんに手が伸びた。
そして背後でうどんをすする音。

「あ、テメェ…凪紗!!
 俺の飯食うな!!」

「いいじゃない、ケチケチしないでもっ!」

「こら、凪紗、今深刻な話してるんだから…」

「え? おっさんが深刻な話?
 似合わないなぁ!」

「大槻さん、だ!
 お前も稔も礼儀が――」

「ねー、稔さぁん!
 何してるのさぁ?」

曽根崎凪紗(そねざき・なぎさ/ADGI)は大槻の言葉を遮って稔に抱きついた。

「離れろ、邪魔だっての!!」

「連れないなぁ、稔さんv」

よくわからないが、凪紗は稔に好意を持っているようだ。
しかし稔はなんとも思ってない。
7年経った今でも咲のことが忘れられないので。

凪紗は2年前にADGIに入ってきた17歳の女で、稔や大槻と同じくプログラム経験者である。
17歳といっても、身長は150cmもなく、小学生に間違えられても不思議ではない。
ただ、ネックレスにピアス、リストバンドに指輪と、稔を凌ぐ派手っぷりだ。
昔は不良グループのリーダーで、男子3人を従えていたとか。
身長の割には武術に長けていて、稔も1度投げ飛ばされた記憶がある。

「…それってプログラムのヤツ?
 稔さん、またハッキングしたの?」

「…まぁな」

「へぇ…」

凪紗の表情が暗くなった。
というのも、の父親の曽根崎匠(そねざき・たくみ/元ADGI)がここで反政府運動をしていて、今回の稔のようにプログラムを壊すために会場へ乗り込み、そこで殺されたからだ。
そのプログラムでの生き残りが、娘の凪紗である。
匠は自分の命と引き換えに、娘を救ったのだ。
凪紗がここにいるのは、父親が死んで母親も既に死んで身寄りがおらず行く当てもないので、大槻が引き取ったことと、本人の意思による。


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