過去ログ - モバP「籠の中の鳥」
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11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/29(水) 13:57:13.31 ID:xk7H4ona0
だって誰も見ていないときにさえ笑えないのだ。

それとも、声を掛けられた時の作り笑顔が素敵とでも言いたいのだろうか。

どちらにしろ皮肉を言っているように聞こえた。

「嘘は嫌いです」

「嘘じゃないよ。いや、何て言うかな…」

 そこで突然彼は考える素振りを見せる。

何かを悩んでいるかのようだ。

そして意を決したように私を見つめた。

「えーと、正確には…声を掛ける前の笑顔は素敵だったよ。自然で」

「私、笑ってましたか?」

「うん。だからこそ声を掛けようと思ったわけで」

「なるほど…」

 予想外の答えに動揺しながら、砂糖をたっぷりと入れたコーヒーに口を付ける。
甘くて苦い味が口の中に広がる。


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