7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/31(金) 00:32:52.30 ID:n4iG8r1+0
無事、この事務所のアイドルになったまゆは、仕事の日でもオフの日でも、事務所に居座るようになった。
あの人が傍に居るのならまゆはそれだけで幸せだから、事務所に居座るのは当然だと自分自身でも思う。
寮が事務所から全然遠くないのも要因の1つで、知った時はスキップをしたくなったくらいに喜んだ。
まゆがオフの日でも、あの人はいつも通り仕事だけれども……
それでも、真剣に何かをする様はたまらなく素敵で、いつまでも眺めたくなってしまう。
眺め続けていると気づかれてしまってそんな表情も崩れちゃうけど、代わりにこっちを微笑んで見てくれる。
どっちも素敵で、まゆの最近の嬉しい悩み。
ただ、まゆだって彼を見つめてるだけじゃない。
彼のために、何かしたいのは常に思ってる。それこそ、彼の家に言って自慢の料理を振舞いたいなんて思ったり。
今はまだそんな事はできないけど、今やれる事だってある。
「どうぞ、プロデューサーさん」
「ありがとう、まゆちゃん。……んっ、美味しいな、お茶淹れ慣れてる?」
「頑張って練習したんですよぉ」
たとえば、最近では事務所の人の代わりにこうやって彼にお茶を淹れたりもする。
普段はあまり自分から買わない茶葉を買って、本やインターネットでお茶の美味しい淹れ方を調べて何度も練習した。
おかげで自分でも分かるほど美味しくお茶を淹れれるようになった。
「これだけ美味しいと本当に練習したんだな。まゆちゃんは凄いなぁ」
だから、こうやって言われるとたまらなく嬉しくなる。
ああ、この人のために頑張れたんだって思えるから。
しかも、褒められるだけでも嬉しいのに、向き合って……尚且つ笑顔でそう言ってくれる。
人生の中での一番の幸せがどんどん塗り替えられる。
外は小降りのようで力強い雨が音を立て、中では彼が出す軽快にキーボードを叩く音。
それら以外の音は殆ど無い殺風景さでも、彼と同じ空間というだけでとても心地が良い。
幸せというのはこういう事なんだろう。
その日はオフじゃない他のアイドルの子達が来るまで、2人っきりの空間を楽しんだ。
42Res/43.19 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。