過去ログ - 【安価】エレン「オレが人類最強の兵士に?」サシャ「ムフフ、美味しそう」4【育成】
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112:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/30(木) 19:42:56.05 ID:+HT0fDRq0
D=07エリアは小学校と中型のデパートの間にあるエリアだ。
ここに住んでいた住人たちが道として踏み歩いていたからか、何となく草の生えていない道ができている。
姫川奈都希(女子15番)は溜息を吐いた。
くしゃっと髪をかき上げ、後ろを見た。
後ろでは、幼馴染の濱中薫(女子14番)が泣きじゃくっている。

「薫、ちょっと泣き止んでよ…いや、気持ちはすっごいよくわかるんだけどね?アンタが自分で行くって言ったんじゃないの」

「そうだけどぉ…ひっく…那緒美ちゃんが…那緒美ちゃんがぁ…っ」

そこまで言って、薫は再び泣き始めた。

薫が泣きじゃくるのも無理はない。

6時過ぎに真中那緒美(女子16番)が誰かに撃たれたのを音で聞き、慌てて2人で那緒美が言っていた小学校まで駆けつけた。
グラウンドには、壊れたハンドマイクが落ちているだけだった。

「あれ…那緒美ちゃんは?」
「もしかして…上じゃない?」

奈都希は憶測で言った。
あれだけ叫んで皆に呼びかけたなら、目立つ所にいたかもしれない、と。

「薫、上見てくる」

薫が校舎の方に向かおうとしたので、奈都希は慌てて薫の服を掴んだ。

「ナッちゃん…?」
「待ってよ、もしかしたら、那緒美は…その…し…」

『死んでるかもしれない』、その言葉が喉に引っかかって出てこなかった。
あの様子だと、それはほぼ確実なのに。

「那緒美ちゃんは死んでないもん!薫、皆を信じるって決めたんだもん!!」

薫が奈都希の手を振り解き行ってしまったので、奈都希も後を追いかけた。

そして――見つけた。
那緒美の額には、穴が1つ開いていた。
たったこれだけの傷で、死んでしまうものなのか。
その後から、薫はずっと泣きじゃくっている。
とても仲が良かっただけに、ショックも大きいだろう。
奈都希自身も仲が良かったので、ショックは大きいが。

「薫が待ってたらよかったんだ…そうすれば、那緒美ちゃんが死ぬことなんて…っ」
「自分を責めないでよ、つーかそれ言われるとあたしも痛い…2人して奈緒美の事すっかり忘れてたなんて…あの子が聞いたら、怒るだろうなぁ…」

奈都希の心にもずっと引っかかっていた。
薫に会えた喜びが大きすぎて、他の事が全て頭から抜け落ちていたのだ。
ほんの数分で会えていたかもしれない。
会っていれば、那緒美は死ななかったかもしれない。

「…とにかく、後悔しても始まらないわよ」
「うん、わかってるけど…――ってどわぁ!!」

突然薫が転んだ。

「な、何やってんの、アンタは!!」
「だってぇ…何かに躓いたんだもん…」

奈都希が薫の足元に目を遣ると、薫の足の下には釣り糸のような物が張られていた。
何かの罠だろうか?

とにかく、手当てだな…

奈都希は溜息を吐き、薫を立たせた。

「とにかく、もう少しでお店に着くから、そこで手当てしよう?あれくらいのデパートなら、薬局とかあるでしょ」
「うん…ごめんね、ナッちゃん…」
「いいのよ、アンタのドジは昔からでしょ」

姉と妹。
昔から、2人の関係は友達と言うよりも姉妹だった。
ドジで子供っぽい薫を、しっかり者の奈都希が面倒を見ていた。
それは、今でも全く変わらない。

まったくもう、目が離せないんだから…

子供ができたら(今の状況では不可能なことだけど)、親はいつもこんな感情なんだろうな、と苦笑した。

困ったな…あたし、薫以外にも探したい人が、1人いるんだけど…


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