5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/31(金) 15:32:00.90 ID:MxdTAWJV0
「おあいそで」
私の言葉を聞いて店員が会計を私に見せる。
結構な金額だった。
「酒は避けられないとは言え…」
レシートに記された数字を見ているとさっとレシートを引っ手繰られた。
「あっ」
私から引っ手繰ったレシートを見て、少しだけ苦笑いをした。
そして胸ポケットから財布を出して中身を見てその笑顔がさらに困ったように頬を掻く。
「えっと…諭吉一枚で足りますか?」
私の質問に彼は胸の前で軽く手を振るだけで席を立ってしまった。
どこに行ったのだろう。
数分もしない内に彼は戻ってきてレシートを私に手渡す。
「なんだかすみません…」
頭を下げると彼は笑顔で私の手を取った。
「それじゃ、帰りましょうか」
そう言って彼は私の手を引っ張る。
どうやら送ってくれるらしい。
街灯に照らされた道を二人で歩きながら私は空を見る。
綺麗な星空だった。
気づかれないように少しだけ体を彼の方に寄せる。
ちょっとだけ強く手を握り返された気がした。
「それじゃ、ありがとうございました」
少しだけ鈍くなってしまった頭を必死に回転させて笑顔で答える。
明日も頑張ろうな。
さよならと彼は言った。
「さよならですか…」
別れの言葉に少々不満げに唇を尖らせて私はソファに体を沈める。
「ふふ、いつか言いたいなプロデューサーさんに」
さよならじゃなくて、お帰りなさいPさんって。
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