6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/31(金) 15:43:59.13 ID:MxdTAWJV0
>>4
「君しかいないっ!」
「はぁ」
いきなり往来で声を掛けられて数歩後ずさる。
「何がでしょうか」
正直逃げたい気持ちでいっぱいだったが、そこで踏みとどまって相手の目を見る。
「決まってるよ。うちでプロデューサーでやらないかい?」
「プロデューサーですか?」
予想外の言葉を聞いて思考が止まる。
「プロデューサーってなにするんですか?」
「そうだな。アイドルをプロデュースしてトップアイドルにするんだよ。ちなみに私は社長をしてるんだ」
「はぁ…俺にはそういう経験はないですよ?」
そんな俺のどこに惹かれたのだろうか。
社長は笑った。
「その眼だよ」
「目ですか?」
小首を傾げる。そんなことを言われたのは初めてだった。
「力があるんだよ。私も色々な人を見てきたがその中で君が一番だ」
「は、はぁ…」
つまり、勘というわけか。
就職活動が始まったばかりで、夢も目標もない俺をここまで買ってくれるのは嬉しかった。
欲を言えば根拠も欲しかったんだけど。
「大丈夫だ。綺麗な事務員もいる。ちゃんとした労働環境は約束するよ」
「そうなんですか…」
やる気のなさそうな声を出してはいたが内心は少しだけ心動かされていた。
「えっと…それじゃ、体験という形でもいいですかね?」
「いいとも!それじゃ、まずは私が君をトップのプロデューサーになるためにプロデュースしようじゃないか!」
アイドルをプロデュースされる前に俺がプロデュースされるらしい。
男二人の奇妙な二人三脚が始まろうとしていた。
「それでは、改めてようこそ。CGプロダクションへ」
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