過去ログ - 小梅「白坂小梅のラジオ百物語」 Season 2
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203:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/26(水) 23:07:14.93 ID:zNvcmNG2o

 近づいてくる方の祖父は、私と手をつないでいる方の祖父を見て、なにやら意地の悪い笑みを浮かべ、ずかずかと大股でやってきました。

 近くで見ても、祖父に間違いありません。
 でも、私の手を握っているのも、祖父なんです。

 私は頭がくらくらしてしまいました。

『肇、迎えに来たぞ』

 後から来た方の祖父は私ではなく、最初からいたほうの祖父をじっと見つめながら、そう言いました。

『えっと、あの、おじい……ちゃん?』

 あの時、私は果たしてどちらに向けて言ったのでしょう。
 いまでもわかりません。

『こりゃ、狐だ』

 最初からいた祖父は、もう一人の祖父を指さして、そう言いました。

『ふうむ、狐か。そりゃ困った』

 後から来た祖父は、言いながら近くにあった切り株に腰掛けました。


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