15: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:28:19.05 ID:JjihbRFAO
ゼノフォン「それはもっと簡単ですよ。人間が壁に手を加えるとなれば、黙ってない方々がいるでしょう?」
アンヘル「あ〜、お壁様か。」
ゼノフォン「はい。これに関しては私、最初から絶対無理だろうと思ってます。」
16: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:29:23.12 ID:JjihbRFAO
アンヘル「そりゃ確かにそうだ。」
ゼノフォン「貴男の〈装置〉に対抗する新技術の開発を行えれば願ったりですが、今の工房の懐具合から言って新たに予算を組むのは難しいですからね。」
アンヘル「そうだな。」
17: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:29:51.14 ID:JjihbRFAO
ゼノフォン「つまり、両手が操作装置で塞がってしまうワケですね?」
アンヘル「あぁ。だから操作装置と武器を一体化させる必要がある。」
ゼノフォン「武器を携えて空中を自在に飛び回る。さながら神話に出てくる戦乙女ですね。」
18: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:30:35.65 ID:JjihbRFAO
ゼノフォン「それは単に貴男に剣術の覚えがなくて、短刀を力任せに扱ったからでは?」
アンヘル「それも一理ある。けど、〈装置〉が本格的に導入されて戦術が確立されれば、ホルへみたいな達人レベルの奴は1日で巨人を何体もぶった斬る事になるだろ? そうなりゃ、もう剣の技術云々の話じゃなくなってくる。どんな名刀も繰り返し使えば刃こぼれしちまうんだから。」
ゼノフォン「なるほど。確かにそうですね。しかし、そうなると黒金竹の含有量を増やして強度を上げたりしても、もはやいたちごっこ。」
19: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:32:08.99 ID:JjihbRFAO
アンヘル「あぁ。それよりは予備の武器をいくつか持ち歩いた方が効率が良い。」
ゼノフォン「そうなりますね。けれど、操作装置が武器を兼ねる以上、その予備という事は〈装置〉自体を複数持ち歩く事になってしまう。それは現実的ではありませんから・・・」
アンヘル「〈装置〉はそのままに武器だけを予備で持ち歩く。」
20: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:41:38.16 ID:JjihbRFAO
ゼノフォン「分かりました。では、今の話を参考に試作品の製作に入りましょう。1週間ほど猶予を下さい。」
アンヘル「助かる。」
ゼノフォン「いえいえ。では、今日はこれで失礼します・・・・・・っと、そうだ。」
21: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:42:08.41 ID:JjihbRFAO
―10日後―
アンヘル「悪いなマリア。せっかくの休みの日に付き合ってもらっちまって。」
マリア「気にしないで。目の不自由なあなたがシガンシナ区を一人で出歩いてる場面なんて、想像しただけで胃が痛くなるわ。」
22: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:42:34.48 ID:JjihbRFAO
アンヘル「大丈夫だ。帰りはゼノフォンか誰かが送ってくれるだろうからな。お前はもう帰ってゆっくり休め。腹の子の為にな。」
マリア「そう。分かったわ。それじゃ。」クルッ
アンヘル「おぅ。ありがとな。」
23: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:43:34.61 ID:JjihbRFAO
アンヘル「良いんだよ。俺は後悔してない。だからそんな面すんなよハゲオヤジ。」
カスパル「やかましいわ!」
アンヘル「へへへっ。ところで、ゼノフォンはいるか?」
24: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/06/03(月) 23:44:40.87 ID:JjihbRFAO
ゼノフォン「えぇ。先般の調査兵団の一件があって、材料の流通が再開されたと聞きましてね。発注して納品を待つより、直接向こうに行った方が早いと思ったんです。それに向こうの方が開発の設備も整ってますから。」
アンヘル「なるほどな。」
ゼノフォン「まぁ、しかし、そのせいで貴男との約束を3日も過ぎてしまいました。納期に遅れるなど開発者の名折れ。深くお詫びします。」
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