過去ログ - 慎二「お前が僕のサーヴァントか!」その2
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◆DDBjj51DRA
[saga]
2013/06/30(日) 20:21:45.19 ID:k9ehC6H90
新都[バス停]
「『よく考えたら、僕って一文無しじゃん。バス待ってても意味ないよな。』」
球磨川禊はそんなことを言っていた。
桜が彼から逃げ出して、臓硯が彼から逃げ出して、その後。
彼は一度間桐邸に戻るために、乗れないバスを待っていたのだった。
「『そもそも桜ちゃんが間桐邸にいるってのが予想なんだし、拘る理由もないんだけどね。』」
「『となると、僕の移動手段は徒歩、もしくはダッシュになるわけか。』」
「『そのへんの自転車をパクるのは、最終手段としては有りだけど気が進まないな。』」
「『それじゃあまるで、僕が悪い奴みたいだもんね。』」
球磨川禊は、とりあえず歩き出した。
本当にとりあえず歩いてみただけのようで、方向は間桐邸とは全く正反対だったけれど。
球磨川は間桐邸に向かうことをバスに乗れない時点で半ば諦めていたし、そもそも新都からの道筋なんて彼が覚えているわけがないので、これは仕方ないと言える。
しかし、目的地が明確に定まっていないそんな歩行にも、ある種数奇な運命が待ち受けていた。
運命というよりは偶然といったほうが状況には即しているし、よく考えればそんなに大仰なものでもないのだが。
しかし、彼の人生において起きることの過半数は運命のような悲劇ばかりだったため、だからこれも、運命なのだろう。
「『あー、この場所、今は公園になってるのか。懐かしいな。確か前回、僕はここでハザマさんに殺されたんだっけ。』」
正確にいえば殺されたのは彼ではなく彼のマスターなのだが、それは置いておくとして。
公園。そう、公園である。
10年前は民家が立ち並んでいたため、球磨川は名前さえ知らない公園だが、何かとゆかりのある場所だった。
球磨川の第四次聖杯戦争はこの地で終わりを迎えたし。
そして第四次聖杯戦争自体の終結も、この地である。
「『雁夜さんに頼まれたこと、やっぱり僕には荷が重すぎるよなあ……。』」
彼は彼のマスターであった間桐雁夜に、桜のことを頼まれている。
せめてもっと具体的に言ってくれればよかったのだが。
「『どういう意味の「頼む」だったのかな。救ってやってくれってこと?幸せにしてやってくれってこと?』」
「『後者だったら荷が重いどころか、苦い想いなんだけど。僕に期待するようなことでは、断じてないだろ。』」
「『前者ならまだしもなぁ……』」
―――――――――――そう。前者ならまだしも。
―――――――――――――――――間桐桜を、間桐の呪縛から救い出すくらいなら、まだしも。
ここまで。
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