過去ログ - 慎二「お前が僕のサーヴァントか!」その2
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531: ◆DDBjj51DRA[saga]
2013/08/03(土) 20:12:00.50 ID:JXxQXFRR0

移動中に聞こえるのは、鉄と鉄が弾きあう音。
僕はその音を頼りに戦場との距離を測る。
腰を曲げ姿勢を低くして歩いているため、目視で確認できないのだ。
それはもちろん向こう側からも確認されないというリターンのために行っている行為なので、文句は無い。
しかしこう進むのが遅いと、どうしても気持ちが急いてしまう。
ステルスアクションゲームの主人公はこんな気持ちで戦場を進んでいるのだろうか。

「はは。何を考えてるんだ、僕」

緊張で心臓が壊れそうだ。
遠坂の前だから強がっていられたが、一人になった途端これとは情けない。
手足は震えているし、呼吸も荒い。それなのに聴覚は敏感で、剣戟の音が脳を揺らす。
目の前が霞んでいるのは涙のせいだと気付き、衣服でそれを滅茶苦茶に拭った。

「おいおい、ビビってんのか?それでも僕かよ、お前」

紛れもなく、僕だ。
ビビって、みっともなく泣きべそをかいている――いつもの僕だった。
爺に。桜に。衛宮に。魔術師に。才能に。
僕はずっとビビッてきた。

「……はは…こんなになるまで、良くやったよ。もう十分だろ。僕の才能だって、証明できたはずだ」

このままいっそ、逃げてやろうか。
そもそもセイバーがいるんだから、僕がでしゃばる必要なんてないだろ。
全部終わった頃に、『僕の出番を取りやがって』とでも悪態をつけば……――――

「………情けない……それでもあいつのマスターかよ!!」

僕みたいなやつがアサシンのマスターなんて、ほとほと身に余る。
―――――――――だけど、上等だ。
たとえ身の程知らずと罵られようが、僕はあいつのマスターだ。

「僕がこの程度で怖気づくとでも?―――いいよ、わかった。魂燃やしてやろうじゃないか…!」









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