過去ログ - 慎二「お前が僕のサーヴァントか!」その2
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666: ◆DDBjj51DRA[saga]
2013/08/12(月) 20:58:44.93 ID:iMbHU6zP0

間桐邸[桜の部屋・扉の前]


扉の前に立つ。
―――――テレビの音。――コントローラーを弄る音。
イリヤさんはわたしの部屋に入ることなど絶対にないので、これは兄さんで間違いない。
なぜわたしの部屋でゲームをするのかは謎だが、そんなことは問題ではなかった。
ムカつく。
わたしがあんなに怖い目にあっている間に、この兄はのうのうとゲームとは。
しかも義妹の部屋で。
変態には、アサシンさんよろしくの正義の鉄槌が必要だ。
ドアノブを回して全力で開くと、台詞と共に包丁を振りかぶった。

「『――――――――――――――ただいまです兄さん死んでください♪』」


「『えっ!?ちょ、桜ちゃん待っぎゃあああああああああああああ!!?』」


――――――――――――――――――――兄さんじゃなかった。
わたしは振りかぶった包丁を、落とす。
この人はあんな変態じゃなくって――――――――――――――――――
―――わたしがずっと、待ち望んでいた人―――。

「『なに、なにこのパニックホラー!訳がわからないぜ!僕なんか悪いことした!?』」
「『それなら謝るから!この通り!ごめんね桜ちゃん!良くわからないけど、気に障った!?』」
「『―――ええ!?ちょっと、泣かないでよ!ヤバいぜ、どうしたらいいか分からないぜ!主導権は僕が握るつもりだったのに!』」

「く、球磨川さぁ…ん」

わたしの胸の螺子は、彼の声を聴いた途端に消えてなくなって――――
出てきたのは涙だけだった。
こんなに嬉しいのに、球磨川さんがおろおろしていて恰好は付かないけれど――
―――いや、これで案外、恰好つけているのかな?
わたしが変に、気負わないために。
――――わたしは涙を止めて、無理矢理に―――へらへら、笑って―――。




「……グスッ…うぇ…く、球磨川さん…――――――――……お帰りなさい!」

「『うん。ただいまだぜ。桜ちゃん。』」





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