過去ログ - 慎二「お前が僕のサーヴァントか!」その2
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◆DDBjj51DRA
[saga]
2013/08/23(金) 21:11:11.04 ID:CpuhqxY20
《同時刻》
ドイツ[アインツベルン城]
ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルンは頭を抱えていた。
入り組んだ城の構造にしてしまったが故に全フロアを貫通させられ。
それを止めるためにグレイハルクを向かわせれば、一階が跡形も無く消し飛び。
全ての行動が、裏目に出ている。
「……何故…何故なのだ…!最強のバーサーカーを忠実に再現してホムンクルス化したと言うのに…!」
グレイハルクを形成していた魔力の反応は、爆発するように霧散した。
あの揺れは、止めを刺されたときのものらしい。
「デッドプールが言うには、敵のサーヴァントはキャスターのはず!…最弱クラスごときに、バーサーカーが何故負ける!」
彼は知らない。
その最弱クラスとして現界したモノが、異世界で《最強》の名を冠していたことに。
――――――――そして、自らの長き生命活動にも、同じく終止符が打たれようとしていることに。
――――――――――――クシャ――――――――――と、紙を握り込んだような音。
その音を、ユーブスタクハイトは聞くことが出来ない。
音を認識する機能など、
――――――――――――――――砕き、貫かれた脳に―――――――――――――――
残っている訳もないだろう。
葛木宗一郎による殺害に容赦は無く、躊躇もない。
「…………………キャスター、済まなかったな。このような無益に付き合わせたことを、許してくれ」
拳に付着した頭蓋骨の破片や脳の残骸を払いながら、無表情で葛木はそう言う。
表情は無いが――――――何も思っていないわけでは、無かった。
遅すぎると言われてしかるべきだが、この時点でようやく、葛木は自身の内にも心と呼べるようなものがあることに気付く。
それは、キャスターの消滅を悲しむことで、気付けたもの…――――
「――…いや、違うな。私は、キャスターの消滅に悲しんでいるのではない」
そもそも、悲しみなら常に感じている。
葛木は悲しみを、心だとは思わない。そんなものは、ただの非常だ。
心。詳しく言うなら―――――正の感情。
喜び。楽しみ。愉悦。快楽。
そう言ったものこそ、心と呼べる。
ならば葛木は、何に喜びを感じたか。
キャスターは彼を称して、『理解者』と言った。
葛木がキャスターの何を理解し、何を共有し、何を求め合ったか。
キャスターが最期に得たもの。それは何だったか。
葛木は微笑む。
「この命も――――――――――――――粗末に出来ないな」
赤く染まった部屋を後にし、葛木は城を下る。
その足取りはもう、死に向かう兵士のそれでは無い。
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