9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/06/06(木) 23:31:10.88 ID:EFc8l7X10
「輝子さん、どうぞ」
「え……?」
「開けてください」
「あけ、るの? ……すごい、開けたら何かが待っていそうな、雰囲気」
「いいから、早くどうぞ。後が支えてるんですから」
後ろに回った幸子ちゃんが背中を押してくる。
恐る恐る扉を開けると、部屋はやっぱり真っ暗で、そのまま不思議に思ってまんま家辺りまで行く。なんにも見えない。
『ハッピーバースデー!』
「っ!?」
突如鳴り響いたクラッカー音。
暗かった部屋の電球に明かりが灯される。
暗闇に慣れたせいで表情は見づらかったけど、私の目の前にいるのは、プロデューサーだ。逆光でよく表情が見えないけど、少し楽しそう。
「誕生日おめでとう。こんなサプライズしか用意できなかったけど、楽しんでくれ」
そこで初めて気がついた。
今日、もしかして仕事があったなんて実は真っ赤な嘘で……。
そうなると、幸子ちゃんが私に付き合ってくれたのも実は今まで事務所に寄り付かないようにしていただけなんじゃないかと思った。
「ボクはそんな器用な真似はしませんから」
「………ゴ、ゴートォーヘヴーンッ!」
「って、いきなりテンション上げないでくださいよっ。嬉しかったのはわかりましたから!」
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