過去ログ - クリスタ「ユミルを好きになるお話」ユミル「ほう」
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100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/23(日) 19:42:15.82 ID:KiAtpIgO0
パーティーの夜。うろ覚えだ。私は首を振る。


「そうですか、まあ、あの時クリスタは酔ってましたしね……ふふ。じゃあ、いいんです。あの時の言葉を私とミカサと、そして彼女だけが知っているんですね」


サシャは目元を指でこする。


「わ、私何を言ったの……?」

「……もう一度、彼女に会った時に伝えてください……そうそう、ミカサからの言伝がありました」

「ミカサから……?」

「応援している、だそうです」


それが言葉として耳に届くのに数秒かかった。


「何それ……ふふッ……あははッ……」


可笑しかった。あのミカサがその台詞を吐いたのが。


「こんな世界で、自分らしくあろうとしたユミルに私はいつも勇気をもらってました。クリスタ、あなたにも」


可笑しかった。私とユミル二人だけの問題だと感じていたことに。


「私も……サシャにもらってたよ。ユミルにも、教えてもらった。この世界で夢中になれるもの。どこでだって良かった、夢中になれば良かったの……私がいる場所で」

「じゃあ、一緒にそれを伝えにいきましょう! ……っとと」


サシャは自分の声量に驚いて、急いで口元に手をやってから上目づかいにニコリと笑った。


「そうだね……」


壁の中に入れられた日から、道を閉ざしてしまっていたのかもしれない。
あるはずの道も、探せば見えたはずの道も見て見ぬふりをして。


人類のために一人で死ぬ未来より、二人で同じ毎日を歩む方が何倍も幸せだ。
二人で幸せを分かち合うより、みんなで一緒に笑った方がもっともっと楽しい。
私はずっとそれを感じていたはずだ。人の温もりを。


「ありがとうって……伝えたい……ユミルに……ッ」


彼女に会いたい。


彼女と生きたい。


それは、壁の中であろうと外であろうと同じ事だ。痛いほど、今、感じている。
あなたは、拒絶の言葉で、優しさで、私を遠ざけるだろうけど。


ユミルが誰と共に生きるか、そんなのは彼女に任せればいい。私は、大好きな彼女のいるこの世界を守りたい。
それが、私の兵士としての生き方。ただ、幸せだけを願うよ。信じられるあなたが、愛しいあなたがそれを教えてくれたから。


だから、ちょっとだけ待っていてね、ユミル―――。



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