過去ログ - クリスタ「ユミルを好きになるお話」ユミル「ほう」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/06/07(金) 20:51:21.71 ID:okfvba2r0
「大丈夫! 誰にも言わないよ」
私は走り出した。3、4歩踏み出して足が痛いのを思い出す。
脳みそはやっぱり靄がかかったみたいだった。もう、部屋に帰らなくちゃいけない時間だったから私は走った。
ユミルも後で来るだろうから待たなかった。顔が熱いのはお酒のせいじゃないかと思った。
昼間のことが思い出される。
『私のこと……好き?』
なんでこんなこと言ったんだろう。
「待って、クリスタ!」
肩を掴まれた。走っていたつもりなのに、どうやら歩いていたようだ。目の前の壁に寄りかかっている自分に気が付くいて驚いた。
だから、ユミルは心配そうに私に肩を貸してきたのだろう。
「大丈夫よ、ユミル」
「おまえ、酔ってるだろ」
「わからないけど、壁伝いに帰るから」
「何言ってんだ。一緒の部屋なんだから、一緒にもどりゃあいいだろ」
「そうだね……ユミル」
「ん?」
不思議な感覚だった。お酒のせいもあるけど。嬉しいような、悔しいような、悲しいような、恥ずかしいような。
ただ、可笑しくはない、楽しくもない。
「ふふふ……」
でも、笑えてきた。ユミルとその人のことじゃなくて、私自身が。
「クリスタ?」
それから、寂しさがどっと覆いかぶさってきた。
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