過去ログ - クリスタ「ユミルを好きになるお話」ユミル「ほう」
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29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/07(金) 20:51:21.71 ID:okfvba2r0
「大丈夫! 誰にも言わないよ」


私は走り出した。3、4歩踏み出して足が痛いのを思い出す。


脳みそはやっぱり靄がかかったみたいだった。もう、部屋に帰らなくちゃいけない時間だったから私は走った。
ユミルも後で来るだろうから待たなかった。顔が熱いのはお酒のせいじゃないかと思った。


昼間のことが思い出される。





『私のこと……好き?』





なんでこんなこと言ったんだろう。


「待って、クリスタ!」


肩を掴まれた。走っていたつもりなのに、どうやら歩いていたようだ。目の前の壁に寄りかかっている自分に気が付くいて驚いた。
だから、ユミルは心配そうに私に肩を貸してきたのだろう。


「大丈夫よ、ユミル」

「おまえ、酔ってるだろ」

「わからないけど、壁伝いに帰るから」

「何言ってんだ。一緒の部屋なんだから、一緒にもどりゃあいいだろ」

「そうだね……ユミル」

「ん?」


不思議な感覚だった。お酒のせいもあるけど。嬉しいような、悔しいような、悲しいような、恥ずかしいような。
ただ、可笑しくはない、楽しくもない。


「ふふふ……」


でも、笑えてきた。ユミルとその人のことじゃなくて、私自身が。


「クリスタ?」


それから、寂しさがどっと覆いかぶさってきた。



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