過去ログ - クリスタ「ユミルを好きになるお話」ユミル「ほう」
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62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/12(水) 18:04:16.93 ID:PJovi8Fp0
私は昼から訓練があった。行かなければ必ず後で罰則を受けることになるだろう。


「私ね、もうすぐ死ぬって言われたわ」


訓練の話をしようとする前に、彼女は言った。出かかった言葉をぐっと飲み込んだせいで、軽くせき込んでしまう。


「やだ、大丈夫?」


気遣うように、背中をさすってくれる。彼女は小さく笑っていた。


「う……ッこほ、ん」

「だから、最後に、人類の役に立ちたいの」

「どういうこと?」


彼女は表情を一変させ、大きく息を吸い込んだ。


「私の仲間は何も戦果を挙げられずに死んでいった……でも、生き延びた私すら何も寄与できず死んでいく……そんなの嫌なの! 私だって何かの役にたちたいのよ!」


誰もいなくなった廊下に彼女の悲鳴じみた声がこだました。その後に、大きな鐘の音が覆いかぶさるように聞こえた。訓練が始まった合図だ。


「手伝ってくれる?」


腕を捕まれた。逃げる気なんてない。だって、もう、


「私にできることがあるなら……」


彼女のために犠牲になれたらと身体が疼いていた。


「ありがとう――クリスタ」


お礼を言われ、ぞくりと背筋が震えた。



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