過去ログ - クリスタ「ユミルを好きになるお話」ユミル「ほう」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[saga]
2013/06/12(水) 20:22:17.90 ID:PJovi8Fp0
救護室は前よりも殺風景だった。
私がいた所とその両端のベッドは、きちんと布団が畳まれていた。そこにいた人達はもういないようだ。
あの、包帯がぐるぐる巻きだった兵士のいた布団は少し染みができていた。透明な染み。水によるものか。
彼は、最後に思うままに飲めたのだろうか。そうだったら、いいのに。最後に彼を看取った者が、彼のことを思ってくれていたことを願う。
窓から月明かりが差し込んでいる。うっすらと、彼女を照らし出す。こちらを向いていない。手に持った紙をじっと見ている。
手紙のようだ。少し文字が滲んでいる。
「ねえ、ここの人の最後は見た?」
小声で尋ねた。彼女は視線だけを向ける。
「いえ……」
返事は短かかった。それから、
「あれは持ってきてくれた?」
「ええ……」
期待に満ちた目で私を見つめていた。私は背負っていた鞄から2人分の立体起動装置と、ブレードを取り出した。
彼女は手紙を丁寧に折ってポケットに入れ、立体起動装置を受け取った。
「ありがと」
「大丈夫?」
「何が?」
「だって、身体は……」
「そうね、死にかけてあちこちぼっろぼろよ。でも、あと一回飛べる気がするの。ううん、飛ぶ」
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