過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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◆/op1LdelRE
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2013/07/15(月) 21:56:53.86 ID:9XZaaUq/0
C 当然ながら、雪ノ下雪乃は大抵のことをこなせるものと思われている
一仕事を終えた後、放課後の廊下をいつものように一人歩く。
元より特別棟へ続くこの道で、人と出くわすこと自体が稀ではあるが。
以下略
333
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:01:11.00 ID:9XZaaUq/0
「お疲れー」
扉を開けて、声をかけつつ部室に入る。
俺の声に反応して、いつも通り既に席に腰を落ち着けて文庫本を開いていた雪ノ下が、すっと顔をあげてこちらへ視線を向けてきた。
以下略
334
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:05:15.91 ID:9XZaaUq/0
「遅かったわね、比企谷くん。どこに寄り道していたのかしら?」
「別に寄り道してたわけじゃねぇよ」
「あら? それにしては授業が終わってから随分時間が経っているわよ。あなた亀より歩みが遅かったの? それともまさか、雨に濡れると力が出なくなるとでも?」
「んなわけあるか、平塚先生に呼ばれてたんだよ」
以下略
335
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:14:54.61 ID:9XZaaUq/0
「そう、平塚先生に。それで今度は何をやらかしたの?」
「おい何勝手に納得してんだよ、何かやらかしたことを前提にするなっての、今日は違うぞ」
「今日は、という言い方をするあたり、自覚があるんじゃない」
「ぐぬ……」
以下略
336
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:21:22.97 ID:9XZaaUq/0
「とにかく今日は、単に先生の作業の手伝いに駆り出されただけだよ。提出物運ぶのとか資料の整理とか。ったく俺を何だと思ってんだか」
「いつものことでしょう。それにしても、あなた本当に雑務という肩書きが似合うわね」
「やめろ、おいマジでやめてくれ、そういうの地味にくるんだよ」
「えぇ知ってるわ、だから言ったのよ」
「ホントお前鬼だな」
以下略
337
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:28:52.23 ID:9XZaaUq/0
「立ち話もなんだし、座ったら?」
「お、おぅ」
すっと視線で自分の斜向かいの席を示す雪ノ下。
最近の、俺の指定席はそこだった。
以下略
338
:
◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:33:18.19 ID:9XZaaUq/0
本を片手に、ががっと音を立てつつ椅子を引き、腰を下ろす。
机を挟んで斜め前に陣取る雪ノ下は、文庫本に視線を戻して、既に読書を再開しているようだ。
今までと比べて少し近い距離にあるその表情を、ちらと見てみる。
「何? さっきから人の顔をじろじろと。身の危険を感じるから止めてもらえないかしら」
以下略
339
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:36:14.91 ID:9XZaaUq/0
まぁいつものことだし気にしても仕方ない。
ということで、予定通り読書に勤しむことにする。
さて、表紙買いしたこのラノベ、当たりか外れか――
そんな危惧も抱いていたけど、蓋を開けてみれば杞憂も杞憂。
以下略
340
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:40:01.25 ID:9XZaaUq/0
「何を読んでいるの?」
「っ……!」
耳元で囁かれた涼やかな声。
同時に、とても良い匂いが仄かに鼻腔を擽る。
以下略
341
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◆/op1LdelRE
[saga]
2013/07/15(月) 22:43:32.88 ID:9XZaaUq/0
一息ついて振り仰げば、いつの間に背後まで来ていたのか、驚きに少し目を見開いている雪ノ下の顔がそこにあった。
近いって近いって。
思わず知らず仰け反るような体勢になってしまう。
「な、何? びっくりするじゃない、急に動かないで頂戴」
以下略
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