過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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417: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 23:48:18.10 ID:rJ2hA1u/0
「はぁ……全く、あなたという人は本当にどうしようもないわね、いきなり女子の手を掴んでくるだなんて、相手によっては通報されていてもおかしくはないわよ」
「いや、うん、それは本当に悪かったよ。これからは絶対しねぇから、だからその」
「ちょっと待ちなさい、比企谷くん。どうも誤解があるようね」
「んなことねぇよ、お前が俺に手を掴まれて気分を害したってことはちゃんと理解してるから」
「だから、それが間違っていると言っているのよ」
以下略



418: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 23:54:26.40 ID:rJ2hA1u/0
「でも、怒ってるんだろ?」
「当たり前じゃない、いきなりあんなことされたら。せめて一言断ってからにしなさい」
「あれ? 問題なのってそこ?」
「当然でしょう。もちろん私がそれを了承するかどうかは、また別の話だけれど」

以下略



419: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/21(日) 23:58:07.94 ID:rJ2hA1u/0
 何にしても、思ってたほどは怒っていなかったみたいで、それは本当に僥倖だった。
腹を切って死ぬべきであるとか言われたらどうしようかと思った。雰囲気的にそう言われたらやりかねなかったし。
そんな風に俺が安堵の息を吐いたところで、雪ノ下が駄目押しをしてくる。

「安堵しているようだけれど、次はないわよ。もしまた許可なく勝手なことをしたら――終わらせるわ」
以下略



420: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/22(月) 00:02:35.45 ID:yzu8Refc0
 と、そこでようやく雪ノ下の手が俺の頭から離れた。
一つ深呼吸してからゆっくり振り返ると、雪ノ下はいつも通りの余裕綽々の表情で俺を見下ろしていた。
本当にこいつはどうしてこうもいちいち上から目線じゃないと落ち着かないんだろうか。
何? お前どこの姫なの? 見下し過ぎて逆に見上げてたりするの?

以下略



421: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/22(月) 00:06:42.24 ID:yzu8Refc0
「そうだ、言い忘れてた」
「何かしら?」

 だから。
一度居住まいを正し。
以下略



422: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/22(月) 00:12:27.95 ID:yzu8Refc0
「前髪さんきゅな――雪乃」

 瞬間、雪ノ下の目が少し見開かれる。
不意打ちに弱いこいつには有効打になるはず、と思っての名前呼びだ。

以下略



423: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/22(月) 00:15:36.08 ID:yzu8Refc0
 指摘されて、一気に恥ずかしさが込み上げてくる。
あぁそうだな、諸刃の剣だって自覚はあったよ、相討ちでもいいと思ってたんだよ。
それがまさか単なる盛大な自爆で終わるだなんて――雪ノ下、こいつ、慣れてきてやがる。
全くどうかしてるぜ、この状況。

以下略



424: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/22(月) 00:20:18.79 ID:yzu8Refc0
「天に唾する行為とはこのことね、その程度の浅知恵で私の意表を突けると思うだなんて、逆に感心してしまうわ」
「――お前だって前は真っ赤になって動揺してたじゃん」
「何のことかしら? 現在進行形で顔を赤くしている人の台詞じゃないわね」
「つーかお前が慣れんの早過ぎなんだよ」
「名前を呼ぶことは私が許可したわけだし、慣れて当たり前でしょう。むしろあなたの方が慣れなさ過ぎなのよ」
以下略



425: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/22(月) 00:25:26.43 ID:yzu8Refc0
「簡単に言ってくれるけどなぁ」
「そもそもあなた、姉さんを呼ぶ時は全然動揺してなかったじゃない」
「陽乃さんは別だろ、あんだけ分厚い外面越しじゃあ意識のしようもねぇよ」
「図太いのか鈍いのか――それなら、私の名前を呼ぶのも自然にできるはずでしょう?」
「いや、それはちょっと……」
以下略



426: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/07/22(月) 00:30:26.16 ID:yzu8Refc0
「本当に処置無しね、これじゃあ先が思いやられるわ」
「放っといてくれ……ん? 先って?」

 ふと引っ掛かって問うと、雪ノ下の動きがぴたりと止まる。
瞬きを一つした後、さっと視線を逸らして、勢いよく何やら捲し立ててきた。
以下略



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