過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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457: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 22:33:48.44 ID:8xV2Qvod0

 ばたんっと扉の開く音と同時に、落ちかけた意識が揺り戻されてしまう。
布団越しでも分かる、高原で聞く鳥の歌声よりも爽やかで軽やかなソプラノが、緩やかに俺の耳を擽ってくる。
温かい布団の持つ魔の誘惑とせめぎ合う天使のような呼び声。
果たして今は現実なのか夢なのか。その境界線上を行ったり来たりしているような気分だった。
以下略



458: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 22:39:31.97 ID:8xV2Qvod0

 ばさっと布団が剥ぎ取られた。
瞬間、ひんやりとした空気が全身を包みこみ、反射的にぶるっと身を震わせる。

「な、何だ何だ、敵襲か? テロか?」
以下略



459: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 22:45:58.22 ID:8xV2Qvod0

「……おぅ、おはよう小町」
「うん、おはようお兄ちゃん。じゃ早速だけど寝巻出して」
「は? 何だいきなり」
「だから洗濯するって言ってるじゃん、ほら早く」
以下略



460: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 22:51:08.00 ID:8xV2Qvod0

「じゃあお兄ちゃん、着替えたら寝巻は洗濯機に突っ込んどいてね、すぐ回すから」
「ん、分かった」

 ぱたぱたと台所へ向かう小町と別れて洗面所へ。
以下略



461: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 22:58:18.58 ID:8xV2Qvod0

 さり気なく下がったテンションのまま台所へ戻ると、小町が鼻歌交じりに朝食の準備をしていた。
俺に気付くと、ふりふりと手招きしてくる。手伝いなさいということだろう。
大人しく小町の隣に向かい、並んで状況を確認。

以下略



462: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 23:05:26.59 ID:8xV2Qvod0

 その言葉は敢えて無視して包丁を手に取る。
むむむと可愛らしく小首を傾げている小町の相手をしていても話が進まないのだ。
まぁ本音では超愛でたいけど。
視線を手元に合わせて、しゃりしゃりと林檎の皮を剥いて切っていく。
以下略



463: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 23:11:41.20 ID:8xV2Qvod0

 出来栄えに納得したのか、満足げに頷く小町。
今日の所はウサギで良かったらしい。
いや本気でネコ型にしろとか言われてもどうしようもないけど。
そうしてテーブルに皿を並べた後、向かい合って席に着く。
以下略



464: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 23:17:55.36 ID:8xV2Qvod0

「美味って、もうちょっと頑張ったら美妹になるよね」
「おい脈絡無さ過ぎだろ、何の話だよ、つーか何を頑張るんだよ」
「もう、分かってるくせに」
「いや全然」
以下略



465: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 23:22:51.17 ID:8xV2Qvod0

 ちらと返した視線から、そんな俺の思考の全てを察したかのように、小町はにへっと相好を崩す。
何この可愛い生き物。朝も早くからこんな幸せな気分になると反動が怖いぞ。
しかし、何でこいつは俺の目を見ただけで考えてることが分かるんだろうか。
あるいは俺が分かり易過ぎるだけだったり? 謎だ。
以下略



466: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/08/04(日) 23:29:09.68 ID:8xV2Qvod0

 そんなまったりした気分でソファでくつろぎながらスマホを弄っていると、洗濯を終えた小町が隣に腰掛けてきた。
交代制で、今日は小町の当番だったのだ。
ちょっと疲れたのか、そのままぽすっと俺の肩にもたれかかってくる。
普段なら文句の一つも口にするところだけど、さすがにそれはあんまりな仕打ちだと思ったので、されるがままに任せておく。
以下略



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