11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 17:40:20.89 ID:sFJRaXSc0
事務所に帰ると、空気が少し、ざわついていました。
大人たちが一つの机に群がって、何か話しています。
荷物を肩から降ろしながら、私はちょっとだけ、考えました。
仕事中に邪魔をするなって怒られるから、普段は話しかけないけど。
今日はいつも通りじゃないみたいだから、私は声を出してみました。
「何かあったんですか?」
「……」
……何人かが振り向いて、何人かは私を無視して元の通りに向き直りました。
一人だけが答えてくれました。
「お前には関係ないことだ」
「……そうですか」
それならそれでいい。
どうしても知りたいわけじゃないもの。
どうせまた、誰がやめるのやめないのって、騒ぎになっているだけだろう。
アイドルの仕事がつまらないとか、そんな理由で。
私は大人たちから離れて、そのへんに置いてあった雑誌を手に取りました。
雑誌を開いて。
余所のプロデューサーに奢ってもらったお茶を飲もうとして。
ペットボトルのキャップを回そうとした私の手は、ふと止まりました。
小さな特集に。
さっき見たプロダクション名と、アイドルの子が、載っていました。
………………………… ◇ …………………………
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