13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 17:50:27.91 ID:sFJRaXSc0
………………………… ◇ …………………………
初めて相手をした日から、数週間後。
私の目の前には、いつかどこかで見たような光景がありました。
「……」
「プロデューサーっ! うわーい☆ ひゃっほー♪」
「わかったわかった、嬉しいのはわかっ――あぶなっ、ちょっ、落ちつけ!」
喜び勇んで自分のプロデューサーに飛びかかっていく相手の女の子と。
笑ってそれを受け止めて、倒れそうになっている、プロデューサー。
また、この前と同じことをやってる。
だけど……微笑ましい、なんて思う余裕はなかった。
胸の内で、密かにリベンジを狙って挑んだライブバトルに……。
私は、負けました。
勝つための努力は欠かさないできたつもりだった。でも、勝てませんでした。
この日、相手のパフォーマンスの方が優れていたことは、認めざるを得ません。
最初に相まみえたときよりも、レベルが格段に上がっていました。
私だってこの日のために、レッスンルームを借りて、一人練習を重ねたのに……。
私の努力が不十分だったのか、相手の努力が上だったのか……。
どっちにしても、勝てなかったのは同じこと。
……悔しい。
知らないうちに、私は衣装の裾を強く握っていました。
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