過去ログ - 岡崎泰葉「マイ・パッション」
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16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 18:05:59.21 ID:sFJRaXSc0

「おーい、お待たせー。……って、あれ?」

横合いから聞こえた声に、私とその子は一緒に振り向きました。

視線の先には、中途半端に手を挙げた男の人が一人。
その人は、私のことを見ていました。……私のことを、覚えてるだろうか。

「君は……」

「えへへっ、お知り合いだよっ☆」

私の横に並んで、場を制して、相手の子は言いました。
思わず横を見る私に、彼女は惚れ惚れするようなウインクを決めました。

……なんて馴れ馴れしい。

事務所にはこんな人はいなかったから、驚いたけど、嫌な気分じゃなかったです。

「そうか……そうか……」

「ん? プロデューサー? どうしたの?」

「お前にもついに、友達ができたのか……っ! 父さんは嬉しいぞ!」

「……いや私、友達くらいいるよ」

「真面目に返すな! そこは乗るところだろ!? 滑っちゃったじゃないか」

冷めた言葉、慌てた言葉、でもどっちも、冗談だとわかる。

……なんだろう。この、愉快な気持ち。

「ふふっ」

私は笑い声を漏らしてしまいました。
人のやりとりを見て笑うなんて、いつ以来のことだったかな……。


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