15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 18:00:19.85 ID:sFJRaXSc0
劇場を出る前に、いつものように掲示板の前に立っていると。
控え室に繋がる通路から、相手の女の子が出てきました。
大きな鞄を肩にかけていて……側にプロデューサーはいませんでした。
今日は、先に気づいたのは私。そんなことを思いました。
でも、先に声をかけてきてくれたのは向こうでした。
「あっ、岡崎泰葉さん」
「こんにちは」
その子は、私の名前を覚えてくれたようでした。
私は初日から覚えていましたけど……それは何故かといえば、私が負けず嫌いだから。
私に勝った新人さんの名前を、忘れられるはずがないもの。
「……岡崎さんは、セルフプロデュースなんですか?」
挨拶を交わした後、ずいぶんと馴れ馴れしい口調で、そんなことを聞かれました。
「厳密には違うけど……ほとんどは。……それがどうかしたんですか?」
「いいえ。でも、そうですか。すごいなあ」
何の意味もなさそうな、ただそれだけの感嘆。
私は面食らいました。
すごいなあ、って。……それって。
「私はプロデューサーに頼りっきりだから……すごいなあと思って」
取りようによっては、当てつけにも聞こえる台詞だったけど、そうは思わなかったな。
そういう子じゃなさそうな、印象でした。
「……頼れるプロデューサーがいるのは……幸せよ」
つい、口から出た呟きが、相手の子に届いたのかどうかは……わかりません。
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