過去ログ - 岡崎泰葉「マイ・パッション」
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26:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 19:05:19.60 ID:sFJRaXSc0

そのとき私は、名刺を貰ったことを正直に話すつもりでいました。

もちろん、向こうの提案は魅力的だった。
憧れていた関係に、私も入れてくれるという話だったんだから。

でも、今の事務所だって。
不満はあっても、私を育ててくれた事務所であることに、変わりはない。

だから……そう、揺らぐ心を抑えていたのに。

「今日はどうだった」

「負けました」

「そうか」

いっそさっぱりとした表情で、その人は私に言ったの。

「お前も、そろそろだな」

「……」

……ああ、やっぱり。勘違いじゃ、なかった。
私もいつか、と漠然と予想して、恐れていたことが、今、来た。

「あの……」

「何だ?」

呼び止めようとすると、その人は、妙に迫力のある口調で言いました。
顔は笑っていたのに、その目は、凍ってた。

「まさか嫌だなんて言わないよな?」


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