6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 17:15:24.38 ID:sFJRaXSc0
「こら。さっきの人、じゃないだろ。覚えてないのか」
「うえ……。だって私、自分のステージで手一杯だったんだもん」
「まあ、今は仕方ないか……で、あの子は……えーと…………なんて子だっけ」
「なんだいなんだいプロデューサー、私と一緒じゃん!」
「一緒にするな。俺は今から思い出す…………――ああ、そうだ。泰葉。岡崎泰葉って子だ」
自分の名前が聞こえてきて、私は振り向きました。
つい、反射的に。
でもそのときには、彼らはもう、劇場を出て行くところでした。
楽しそうにお喋りしながら、お互いに笑顔で、よく晴れた外へ。
……眩しい光の中に、入っていくように。
それにしてもあの人たちは……まったく、大きな話し声。
掲示板に向き直りながら、私は不思議な気持ちになりました。
長いこと呼ばれることのなかった自分の名前。
しかも……下の名前です。
それが、直接じゃなくても、赤の他人のプロデューサーに呼ばれるなんて。
きっと普段から、人を名前で呼んでいる人なんだろうな。
………………………… ◇ …………………………
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