7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 17:20:23.81 ID:sFJRaXSc0
それから少しして、私は劇場を出ました。
その日は天気がよくて、自動ドアを抜けた瞬間、お日様がすごく眩しかったのを覚えています。
それに、暑かった。
熱中症に注意してくださいって、天気予報が呼びかけるくらいだったと思います。
早く事務所に帰ろうと足を向けたところで、だけど、私はすぐに立ち止まりました。
だって、そこで、変な人を見つけたの。
私の目の前で。
スーツ姿の男の人が、地べたに両手をくっつけて、地面の声を聞いていたんです。
ぺちゃんこの蛙みたいな格好でした。
……そうそう、そんな感じです。……お上手ですね。
……もしその人が自動販売機の前にいるんじゃなかったら、私は110番したかもしれません。
今日は暑いから、飲み物を買おうとしたのかな。
そして、小銭を自動販売機の下に落としちゃったのかな。……って。
事情はなんとなく、予想できましたけど、近寄りたいとは思いませんでした。
逆から帰ろうかとも、ちらっと考えました。
この上なく怪しかったんだもの。
考えてみたら、言葉を交わしたのはこのときが初めてだから……。
あまりスマートな出会いとは、言えないですね。
ちなみに、後になってこの感想をプロデューサーに話したとき。
口止め料だって言って、ヘアピンを買ってくれました。
…………あっ。
……まあ、ばれなければ……大丈夫ですよね?
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