40: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:25:45.99 ID:axl5mVCd0
……何故かこの二人で考え続ける時間が名残惜しくもあった。
そして、このまま先に進む事が少し怖くもあった。
だが、進まなくてはならない。
いや、進むんだ。それが俺達の望んだ夢なのだから……
41: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:26:12.69 ID:axl5mVCd0
時間的に考えればもう結構経つ事にはなるが、俺はあの日の事を昨日起きた事のように思い出す事ができる。
……それだけ、その時の俺の願いが込められていたのだろう。
まさか、本当に実現するとはな。
嬉しくもあるが、少し悲しくもある。
42: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:26:41.17 ID:axl5mVCd0
「プロデューサー?」
「え?」
「どうしました? 何かお悩みでも?」
「あ、いや……」
43: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:27:19.19 ID:axl5mVCd0
「また何か考え込んでるんでしょう? 隠すのは止めてください。 私も全て打ち明けた事ですし」
「……ごめんな」
何故か咄嗟に出た言葉は謝罪の言葉だった。
44: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:27:58.25 ID:axl5mVCd0
「もう……もう、悩んでいる貴方を見ているだけって言うのは嫌なんです!」
「――!」
前も同じような事があったっけか。
そう、確か「時間が止まった頃」に一度同じように考え込んでいた。
45: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:28:42.29 ID:axl5mVCd0
「重荷になってしまうかと思ってずっと黙っていたけど……さすがに、一人で考え込むのはもうやめだ」
「聞かせてください。 貴方がずっと何を考えていたのか」
「……ずっと、怖かったんだ。 千早をトップアイドルにさせるのが夢だと言うのに、トップアイドルにさせたら
千早が何処か遠い所へ行ってしまうような気がして」
46: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:29:27.82 ID:axl5mVCd0
「……ふふっ」
「ん? な、何かおかしい事でも言ったか?」
「いえ……まさかプロデューサーがそんな事を考えてるなんて」
「……?」
47: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:29:58.31 ID:axl5mVCd0
そして、俺は自分でもあまり意味のわからない問いをかける。
「で、でもトップアイドルになるってぐらいなんだからもっと良いプロデューサーがつく事になるんじゃ……」
「それは私が許しません。 というよりも、貴方以上に良いプロデューサーなんていませんから」
48: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:30:32.35 ID:axl5mVCd0
「人生のパートナー……? どういう意味なんだ?」
「そ、それを言わせるんですか?」
「あ、あぁ……病室での一件もあったんだったな そういえば」
「そういう事です――って、忘れてたんですか!?」
49: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:31:07.52 ID:axl5mVCd0
「と、とりあえず! 先に歌を完成させますよ!」
「え? ああ、それもそうだな……急がないと」
あまり時間は残されていない。
この二人で共に作業する時間も残されてはいない。
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