140: ◆m03zzdT6fs[saga]
2013/07/04(木) 03:07:55.68 ID:zpMoHYvIo
「一緒にいてくれるだけじゃ、駄目です、Pさん」
彼女も、一歩俺の方に近づいた。お互いの息遣いを感じる。もう、彼女の顔がすぐそこにあった。
「Pさんは」
茄子さんは、俺に問うた。
「今、幸せですかー?」
それは、三年前彼女がこの場所で俺に問うたことだった。あの時は、幸せも何もなかった。ただ、辛さと虚無感だけだった。
今は違う。今だけではない。この三年間、俺は全てに充足していた。
『ああ、とても幸せだ』
「ふふ」
彼女は少し笑い、そうして俺の背に手を回し、顔を俺の胸元に埋める。
「一緒に居るだけじゃ、駄目です。私を、幸せにしてください。ずっと、ずっとです。Pさんとずっと一緒に居たいんです。ずっと、幸せになりたいんです。……駄目、ですか?」
彼女は、少し脅えたような表情を見せた。同時に、理解する。彼女もまた、俺と同じようにずっと、本音を押し隠していたのだと。
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