9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/12(水) 20:53:41.50 ID:vLNSj/6Bo
残存魔力のほとんどない今の真奥を殺すのは、恵美にとって容易いことだ。
だが行きがかり上共闘し、馴れ合いのような関係になり、いつのまにか争い合うような空気はなくなった。
口喧嘩はするものの、本気の殺し合いなど日本に来てからしていない。
それは改めて指摘されれば、確かに腑に落ちないことだった。
口を閉じ、真剣な表情を浮かべ恵美を見つめる真奥を見て何を考えたか。
納得したように頷いて梨香が立ち上がった。
梨香「うん。じゃあ私帰るね。恵美は任せた」
真奥「……は?」
梨香「大丈夫、ここまでの支払いはしとくから」
真奥「いやそういうことじゃなく、ちょ、おい!」
梨香「終電までには帰したげてねー!」
引き止める真奥を気にかけることなく、梨香は手を振り笑顔で店を出た。
先ほど抱いた同情が露と消える。
ひとしきり呆然としてから恵美を振り返った。
真奥「……どうするよ、おい。お友達は帰っちゃったぞ」
恵美「あ?」
恵美は座った目で、皮から剥き終わった枝豆を一つずつ箸で食べようとしていた。
箸からこぼれた枝豆が皿に落ちる。再び箸で掴む。それを繰り返す恵美を見てから、
真奥「……はあ」
今日何度目か分からないため息を深くついて、恵美の向かいの席に座った。
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