10: ◆ty8oEf4R2M[saga]
2013/06/14(金) 14:54:14.81 ID:syUJYszq0
すぐに、ぼくは携帯の送信履歴から彼らの呼称を手繰り寄せた。
そして、同時に考えた。咲坂悠一は自殺したと彼女は断言した。
それなのに結城久という人物は俺が殺したと述べている。
この違いは何だ。言う通り、罪の意識なのか?
「でも、悠一は自殺のはずだ。久さんが罪の意識を感じる必要はない」
「ああ、話を遮ってしまってごめん。とりあえず、最後まで続けよう」
「わかりました。問題は、ここからがあまりに不可解なところです」
「次に亡くなった…つまり、佐倉徹。北条千夏」
「そして今日。ついさっき亡くなった、七瀬翔の三名の亡くなり方です」
亡くなり方。その三名も自殺のはずだ。彼女はそう言っていた。
ならば、状況の事を指していると考えるのが自然だろう。
不信感を抱かれないように、ぼくは彼女に言った。
「ぼくもそう思う。彼らには自殺するだけの理由がないように思える」
「ええ。前回の事情聴取の際、遺書について言及されたでしょう」
「うん。あの内容に、やっぱり関連があるのかな」
ぼくは自らの額に冷や汗が浮いているのがわかった。
話を合わせるしかない。少しずつパズルのピースは揃っていく。
咲坂悠一の自殺から、その背景に至るまで。それらが一つの絵になっていく。
「そう。追求されたのは、あの一点だけ。咲坂悠一の遺書の一節」
「これからぼくが自殺する部屋」
243Res/276.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。