9: ◆ty8oEf4R2M[saga]
2013/06/14(金) 14:51:24.89 ID:syUJYszq0
「咲坂悠一、だって?」
そう言えば、そうだ。彼女の名字は咲坂。そうある名字じゃない。
咲坂悠一の外見から判断するならば、彼女は彼の妹だろう。
思わず声が出てしまった。落ち着かなければ。
「はい。咲坂悠一。ご存知の通り、私の兄です」
「…事の発端は、兄さんの自殺からはじまりました」
「ぼくは結城久を救うんだ。そう言って、自殺しました」
彼は。咲坂悠一は、結城久という人物の為に自殺した?
そしてどういうわけか、その自殺が連鎖している。
彼女は心当たりなら、ある。そう続けた。
「ここまでについて、何か間違いがあれば指摘してください」
何も知らないぼくには、その説明に間違いがあっても分からない。
今は彼女の言葉の真偽がどうであれ、信じるしかない。
「大丈夫。続けて」
「次に亡くなったのが、久さんです。結城久」
「彼は以前話した通り、事故に遭いました。一時は死の淵を彷徨いました」
「ですが、どういうわけか…彼は奇跡的な回復を見せ、その後に」
「自殺した、か」
「はい。以前話した通り、罪の意識から、だったのかもしれません」
「彼は自殺する直前まで、ずっと呟いていたでしょう」
「俺が咲坂悠一を殺したんだ、と」
243Res/276.44 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。