41: ◆ty8oEf4R2M[saga]
2013/06/17(月) 12:32:57.18 ID:8Jw0TV/c0
八月十日までの日記を読み終えたぼくは、喉の渇きで我に返った。
時刻は十八時過ぎだった。考えながら読んでいたら、こんな時間だ。
ぼくは冷蔵庫から麦茶を取り出し、氷を入れ、一気に煽った。
激しい頭痛によってぼくの思考はクリアになった。
真相へと足を踏み入れるにつれ、真相への道は遠くなっていく。
綴真也の言葉を借りるならば、そこには論理性が存在しなければならない。
物事を不明瞭なままにはしておけない。何かの形で、理由付けねば。
まだ日記は続いているようだった。先に全て読んでおこう。
八月十五日
ぼくの予想は的中した。違う。的中してしまった。
残るは三人。七瀬翔。咲坂未来、そして、ぼく。綴真也だ。
ついに、部屋の事を知る人物までもが自殺してしまった。北条千夏だ。
このところ、大学へ全く顔を出していない。部屋すら出ていない。
しかし、誰もぼくのことなど気には留めないだろう。
今までだってそうだった。ぼくの今までの人生は、無意味だった。
何の意味もなく日々を過ごしていたぼくは、ただ、死を願っていた事を思い出した。
…あの日、咲坂悠一と出会うまでは。
ああ、今はそんな感傷に浸っている場合ではない。
今のぼくの思考はこの事件の真相に反して、とても明瞭だった。
さて、ここからは少し、言葉を吟味しつつ日記を書いていこうと思っている。
まずは前述した通り、ぼくの予想が的中したことについてまとめよう。
咲坂悠一の自殺が七月三十一日。結城久の自殺が八月五日。佐倉徹が八月十日。
そして、今日。唯一、部屋への手掛かりを持っている北条千夏が自殺したのが、八月十五日。
ぼくはこの一連の自殺についてとある法則性を見出した。
この自殺は、五日ごとに行われている、ということを。
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