過去ログ - これからぼくが自殺する部屋
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42: ◆ty8oEf4R2M[saga]
2013/06/17(月) 12:34:03.58 ID:8Jw0TV/c0

ぼくは北条千夏の語っていたことをよく思い出せない。

彼女が、これからぼくが自殺する部屋について知っているのは確かだ。
だが、何を語っていただろうか。ぼくは非現実的な言葉に耳を傾けなかった。
決して反りが合わないというわけではなかった。むしろ、ぼくは彼女を好いていた。

ぼくたち七人は死を選んだ、似たもの同士なのだから。

そういえば、佐倉徹の死について思い出したことがあった。
結城久が自殺してから、彼は一変してしまったように思えるのだ。
何かを調べていた。そう。そうだ。ぼくは今、そう思えてならないのだ。

なら…何を調べていたのか。遺書。咲坂悠一の遺書?

違う。それだけは、断じてない。警察が事件性を見出したのは彼が死んでからだ。
咲坂悠一が自殺し、警察が捜査をした後、ぼくは何度か彼の家へ行った。
しかし、ぼくが咲坂悠一の遺書を発見することはなかった。

恐らく、一定の成果を上げるまで警察が保管していたのだろう。

つまるところ、佐倉徹が咲坂悠一の遺書について調べていた線は消えた。
佐倉徹は、咲坂悠一の遺書ではない、何かを調べていた。
ああ。何か、糸口か掴めそうなのに。

警察は今、最初の死である、咲坂悠一の事を調べていた。
そう。だからこそ、彼らは咲坂悠一の遺書を持ってぼくを訪ねた。
佐倉徹が自殺する前には、咲坂悠一と結城久の二名が亡くなっているのだ。

ああ。分かった。佐倉徹は咲坂悠一の遺書を調べてはいない。
全て理解したわけではないが、佐倉徹の死の原因は、分かった気がする。
彼は調べていたからだ。残された遺書のことを。そしてそれを読んで、彼は自殺した。





…恐らく、結城久の遺書が存在するのだろう。




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