過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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14: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/14(金) 23:21:37.72 ID:JGBQ+Wk30

 山道を抜けて、近くの都市へと抜ける大通りにぶつかる。軍用車は目立つが…仕方ない。

とにかく今は、遠くまで逃げて時間を稼ぐしかない。

 「みんな、大丈夫?」

ハンナが子ども達にそう声をかけている。

「うん」
「平気…」
「俺も大丈夫」

子ども達が口々にそう返事をしたのを聞いて、安心したのか、

「良かった」

と胸をなでおろすような声が聞こえた。それから、ハンナは、おもむろに助手席に移ってきた。

 「なんていうか…ごめん」

まったくだ。突拍子もないことをするのはいつものことだが、これは度を越えているだろう。

上官がわざわざ捕まえてきた捕虜を、勝手に逃がしたわけだからな。

まぁ、禁固刑は避けられない。

銃殺も…あの大尉殿ことだ、ないとは言えないな。いや、銃殺してくれるなら、まだ楽な方、か。

 俺は、この先のことに絶望しながら

「まぁ、仕方ない」

とだけ言ってやった。

 やっちまったことは、もうどうしようもない。絶望したところで、元に戻れる理屈はない。

こうなったら、逃げて逃げて、逃げ切るしかないだろう。

やるべきなのは、ハンナを責めることじゃなく、これからのことを考えることだ。

 「あの、ありがとうございます…」

後ろから女性のそう言う声が聞こえた。

「あはは…まぁ、気にしないで。もうなんか、勢いで、ね。私は、ハンナ・コイヴィスト。

 こっちの不機嫌そうなのが、マーク・マンハイム。彼は、いつもこんな感じだから、気にしないでね」

ハンナが笑って言う。大きなお世話だ。

「私は…レオニーダ・パラッシュです。レオナと、呼んでください」

彼女は名乗った。それから

「…巻き込んでしまって、申し訳ないです」

と謝ってきた。

まったくだ。我ながら、考えてしまったら泣けてくる。いくらなんだって、一緒に逃げてくることはなかったろうに…

いや、一緒に逃げてなければ、どのみち逃がしてもつかまっていたか。

 あぁ、クソ。どっちにしたって、俺の安定した生活は終わった。逃亡生活なんて、気が滅入りそうだよ。

それもこれも、ハンナ、お前のせいだからな!




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