過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
1- 20
178: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/26(水) 22:35:59.69 ID:b+Iikr+e0

 「それなら」

不意に、声が聞こえた。レオナだった。

「それなら、私が、レナさんと一緒に北米へ行きます」

「あんた…平気なのかよ?子ども達と一緒に、カレンのところへ…」

そこまで言ってハッと気づいた。そうだ。

そもそも、レベッカは、レオナの産んだ子なんだ…写真を肌身離さず、分かりにくい記憶媒体に入れて隠していたくらいだ。

思い入れんがないって思う方がどうかしてる。だいたい、レベッカにとっては、レオナは母親に違いないんだ。

 アタシが黙ったのを見て、レオナは気が付いたみたいだった。

「ごめんなさい…分かっていはいるんです、でも、レベッカのことは…私…」

と言いよどむ。レナは彼女の話を止めた。

「うん、そう言ってもらえてよかった。私も、ロビンを産んだから、分かるよ…レオナ、一緒に着いてきて。

 私たちで、『お母さん』で、レベッカを助けてあげよう?」

「…はい!」

レオナは、ここにきて一番かもしれない、まぶしい笑顔でそう返事をした。

「じゃぁ、アヤさん」

次に、ハンナが口を開く。

「アヤさんとは、私が一緒に行きます」

「…あんたは、アイナさんがつかまっている基地にいたんだよな…」

そうだ。それなら、周囲の地形や基地の警備の配置、警備システム、そのほか諸々まで、把握しているはずだ…

でも、彼女には戻る理由がない。良いのかよ、また危険な目に合うかもしれないんだぞ?

「危険だぞ?」

アタシが言うと、ハンナはニコっと笑った。それから、少し悲しそうな瞳で

「マークの…ここへ来る途中で、きっと、彼らに殺されてしまった、私の幼馴染み、恋人の敵を取りたいんです…」

と言ってきた。

 その話は、子ども達が風呂に入っているあいだに聞いた。そっか…あんまり、気の進む動機じゃないけど…でも。

MPを殺したソフィアとおんなじような気持ちなんだろうな…だとしたら、なにもせずに放っておくのも…違うような気もする。

「わかった」

アタシはハンナの意思も、了解した。

 そんなとき、不意に、アタシのPDAが鳴った。ディスプレイを見る。そこにはシローの名があった。

「レナ!シローだ!」

アタシはそう言いながら電話口に出る。

レナに、カレンもこっちへ視線を送ってくる。

「シロー!あんた、大丈夫か?!」

「アヤか?何の用だ?今、ちょっと取り込んでるんだ」

「シロー、アイナさんの話を聞いた」

「なんだって?!」

電話の向こうのシローは驚いていた。

 そりゃぁ、そうだろう。こんなところに、シロー達が会った子どもが逃げてくるなんて、普通なら想像できもしない。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
837Res/1090.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice