過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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260: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/30(日) 21:43:19.34 ID:CYaP2sVk0

「レオナ、ダメだよ、抵抗したら」

私が言ってやると、レオナはシュンとした顔をして

「ごめんなさい…でも、あんな言われ方、許せなかった…」

と謝った。

「ああいうのはね、付ける薬がない、っていうのよ。わかる?馬鹿ってこと」

私はそう言って笑ってあげたけど、レオナの表情はさえなかった。たぶん、私が笑っているのが分からなかったんだろう。

顔全体が熱を持って、腫れぼったい。たぶん、表情が読み取れるような状態ではないんだ。でも…

「でも、レオナのお陰で、とりあえず一息つけたよ…ありがとう。

 今日はこれで終わってくれるかもしれない。もう遅いからね…」

基地に入ったのが、3時ごろ。捕まって、ずいぶん経ったから、もう外は夜だろう。

あの様子じゃ、そんなに仕事熱心ってわけでもなさそうだし、

このまま私たちを放って気晴らしにでも行ってくれれば、今日は少しだけ眠れるかもしれない。

あの時のように、独房にでも入れてもらえると、いろいろと助かるんだけどな…その、トイレとか、さ。

「レオナ」

「はい?」

「トイレとか、大丈夫?」

「え?あ、えぇと…」

「我慢しないで良いから、しちゃうと良いよ。私もそうするから」

「…レナさん…」

「勘違いしないでね。弱気になってるんじゃないよ?そんなことで、いちいち精神力使ってる場合じゃないってだけ。

 今守らなきゃいけないのは、命。体面や、主義主張じゃない。そのためにも、余計なことは気にしない方が良い。

 トイレも、あの男も言葉も、同じよ。

 こんな状況でもなかったら、ちゃんとした方法で処理すべきだけど、今は、仕方ないから、

 どっちも好き勝手に垂れ流しておけばいいの」

「…はい、ごめんなさい」

 なんだか、ちょっとお説教みたいになっちゃった。そんなつもりじゃなかったんだけど…ごめんね、レオナ。

正直言うとね、もう私、一回しちゃったしね、蹴られた時に…嘔吐の方の匂いがきつくて、たぶんわからないと思うけど…

だから、まぁ、言い訳だけだと思って、聞いておいて、ね。

 アヤは、無事かな…。

ニホンへは、シャトルで向かったから、たぶん、到着は私たちがベイカーズフィールドに着くよりも早かったはず。

私たちと同じだけの時間を準備にかけていたとしても、もう、作戦は終わって、こっちの状況に気付いているはず。

ニホンからここまでなら、半日はかからない。今はもう、向かってくれてるかな…

アヤ、待ってるからね…必ず来てくれるって、信じてるからね…アヤ…アヤ…。

―――レナ!

 脳裏に、いつもの太陽みたいな笑顔で私の名前を呼ぶ、アヤの姿が浮かんで消えた。



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