過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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288: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/07/03(水) 22:01:55.40 ID:RggOFisF0

 そんなアタシの涙を、レナはぬぐってくれた。

「アヤ…私は、アヤがこんな目に遭わなくてよかったって思う」

「だって!」

そう言いかけたアタシの口をレナは人差し指を立ててそっと閉じさせた。

「どっちがされても、辛いのは一緒。悲しいのも一緒。だからそれは気にしないで。それに、今回は怖くなんかなかったよ。

 必ず来てくれるって分かってたから。あなたを信じて待っていられた。耐えていられた。あの時とは、同じじゃない。

 アヤ…これが私の戦いだったんだよ。私は、負けなかったよ。心を折られなかった。踏みにじられもしなかった。

 あなたのことだけを考えて、信じて、戦えた。遠くに居ても、あなたは私を守ってくれてたよ。

 だから、そんなに悲しまないで。体なんて、休ませれば治る。痛いのはいっときだけ。

 私とアヤが生きて、またこうして会えた。それが私の戦いの結末。私の、勝ち」

レナは、こんな状態なのに、いつにもまして穏やかな口調で優しい目で、じっとアタシを見て言った。

それからニコッと笑うと、

「だから、あとはお願いね。次は、アヤが勝つ番。私を無事に連れ出して…一緒に、みんなで、アルバに帰ろう…」

と言って来た。

 はは、レナ。分かってるよ…そんな状態のあんたに、励まされちゃうなんてな…アタシの方が負けそうになってたんじゃんか。

そうだよな…まだアタシ達は生きてる。アタシも、レナも、マライアも、みんな生きてるんだ。

どんなに姿になったって、たとえどんな怪我をしたって、生きて、それでみんなでまたあの生活に戻るんだ。

新しくできた仲間たちと一緒に…そうだよな、レナ。

これまで、アタシ達はそうやって生きてきたんだもんな。これからも、それは、同じだ。

 アタシはもう一度レナを、力いっぱい抱きしめてから、立ち上がって腕を肩に担いだ。

 部屋から出ようと振り返った時、その出口には、ティターンズの黒い制服の連中がいた。銃口がアタシ達の方を向いていた。

「あの男…」

「誰だ?」

「拷問官」

レナが憎々しげに言う。そうか…あいつか…あいつが、レナをこんな目に…!

アイナさんを助けに行ったときに、マライアとは知らずに大尉に向けたのと、まったく同じ感覚がアタシの中から込み上げた。

胸が、体が、焼き切れそうなくらいに熱くなるような…

「なんの騒ぎかと思えば、芸がない」

初老の男がそう言って、こっちに歩いてくる。後ろに連れたティターンズの兵士は4人。

どれも、自動小銃をこっちに向けている。アタシからの距離は6メートルほど。

飛び掛かろうものなら、たどり着く前に、ハチの巣だ…。

 くそ、ここまで来て、こんな状況かよ!どうする?自爆覚悟で、音響手りゅう弾か…投稿するフリでもするか…?

この状況で、後者は危険だ。その場で殺されかねない。だとすれば…アタシはチラッとレナを見た。

レナはアタシの顔を見て、ニコッと笑って、アタシの肩にまわした腕に力を込めた。レナ、悪い、こいつは分が悪いや。

 「わかった、抵抗はやめる」

アタシは小銃をなるべくアタシ達の目隠しになるように、

ティターンズの連中の目の高さくらいになるように放り投げた。

そのままの手で、戦闘用のベストにひっかけていた手りゅう弾を手に取ってピンを引っこ抜いた。

 次の瞬間に響いたのは、アタシの手りゅう弾の爆音じゃなくて、自動小銃の銃声だった。



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