過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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287: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/07/03(水) 22:01:19.45 ID:RggOFisF0

 見取り図の、マーキングの部屋の前にたどり着いた。扉があって、その横にキーボードの付いた電子制御用のパネルだけがある。

ノブや、鍵穴は見当たらない。迷ってる暇は、なかった。

アタシは、腰から消音装置付きの拳銃を引き抜いて、パネルを打ち壊した。

バチバチっと音を立てて、パネルの液晶画面が消える。同時にトビラから、バスンッと言う鈍い音がした。

電源、うまくやれたのか…?

 拳銃を腰に戻して、ナイフをトビラと壁の間に突き立てる。

思い切り押し込んで、テコの要領でひねると、かすかに隙間が空いた。

アタシはそこに両手の指を突っ込んで、両腕と、壁につっかけた脚に力を込めて、扉をこじ開けた。

 中は、廊下とおんなじ、真っ白な部屋。その部屋の奥の壁に、何かがあった。

イスに座り、両腕を壁に括られるようにして、うなだれて身動き一つしない、人の体…

 レナだった。

レナ…おい、レナ…死んでないよな…生きてるよな…

胸にこみ上げてきそうになった絶望を押さえつけて、アタシは部屋に踏み込んだ。肌に、何かが感じられる。

これは、レナの気配だ…生きてる、レナ、あんた、生きてるんだな!

 アタシは思わず駆け出していた。レナ座っているイスの周りには血しぶきが飛んでいて、吐き出したのだろう、

ぐちゃぐちゃになった、こうなる前は食べ物だったんだろう何かが、酸えた臭いを放っている。

レナは、顔中あざだらけだった。

 またかよ…レナ、なんでアタシ、あんたをこんな目ばかりに合わせちゃうんだよ…ごめん、ごめんな…

そう思いながら、アタシは壁に両腕を固定されたレナの頬を叩いた。

「レナ…レナ!しっかりしろ!」

声を掛けたら、レナがうめいて、うっすらと目を開けた。

「ア…アヤ…」

レナは、アタシの顔を見て、ニコッと笑った。

「待ってろ、すぐ外してやるからな!」

アタシは固定している拘束具の錠を銃床で叩き壊した。拘束具が外れたレナは、ぐったりとアタシに寄りかかってくる。

アタシはレナを抱き留めて、その場に座り込んだ。

「レナ…ごめん、遅くなって、本当にごめん…」

「ううん。きっと来てくれるって、信じてた…」

レナがアタシにまわした腕に力がこもった。

「アタシ、いつもこうだ。レナばっかりに怖い思いさせて、辛い思いさせて…守るってそう決めたのに…アタシ、アタシ…!」

頬を涙が伝っていた。悔しいよ、悲しいよ、レナ。なんであんたが傷つけられなきゃいけないんだよ…

アタシだって良かったじゃないか。なんで、こんなひどい目に、二度も会わなきゃいけないんだよ…



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