過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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34: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/15(土) 23:15:27.41 ID:Ax9gx0y90


 俺は、と言えば、食事をしてシャワーを浴びてから、部屋に備えつけられていたコンピュータで情報を漁っていた。

 コトッと、ハンナがコーヒーの入ったカップを持ってきてくれる。

「大丈夫?疲れてるのに」

彼女はそう言いながらギュッと俺の両肩を手で締め付けてくる。

「あぁ…まぁ、仕方ない。ここを抜けるまでは、休んでる暇はない」

そう言いつつ、俺はハンナのマッサージに少しだけ身をゆだねる。

しばらく無言だったが、ややあってハンナが口を開いた。

「ごめんね。こんなことになって」

 まったくだ、と、文句のひとつでも言ってやろうかと思ったが、

今日一日、子ども達のことを見ていたら、そんな気も失せてしまっていた。

あいつらが、あの鬼畜大尉の餌食にならなくてよかった。

それだけは、確かなこととして受け止められていたからだ。


「あいつらが無事で良かったから、今回は責めないでおいてやるよ。だけど、せめて事前に相談してくれよ」

俺がそう言ってやるとハンナは笑って

「うん、ごめんね」

と返事をした。

 ふう、とため息が出た。こういう穏やかな時間をハンナと過ごすと、良く、昔のことを思い出す。

ケンカもしょっちゅうしたが、なんだかんだ、最後にはこうやって二人でのんびり過ごすことが多かった。

つらい時もきつい時も、楽しい時もうれしい時も、ハンナと一緒に居た。

今考えてみれば、士官学校に入る前にこういう関係になっていなかったのが不思議なくらいだ。

そう思えば、もしあのとき、ハンナが一人ででもレオナたちを逃がす、と言って来ていたら、俺はどうしただろうか。

まぁ、少なくとも放り出すようなことはしなかっただろう。

止められないのなら…一人で行かせるわけにはいかなかったよな。はぁ、どっちにしたって、今と同じことをしたんだろう。

 まったく。とんでもない幼馴染みを持ってしまったもんだ。



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