過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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394: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/07/15(月) 14:04:19.14 ID:a4CMWmdY0

 宇宙空間の航行は、退屈だ。何しろ、移動の距離が地球なんかとは違いすぎる。

戦闘の警戒をしていなければいけない戦艦なんかと違って、こっちは常に共通ビーコンを発信して位置を周囲の船に知らせている民間船。

戦闘に巻き込まれることはそうそうないし、エゥーゴにしても連邦にしてもネオジオンにしても、

攻撃前に一声かけてくるのが普通だ。

 サイド3までは、通常のルートで10日。

先月、サイド3は連邦からアクシズへと譲渡され、アクシズとサイド3を結ぶ宙域は、

エゥーゴ先方の連邦軍とアクシズ率いるネオジオン軍とが戦闘状態にある危険な場所だ。

うまく迂回してなるべく安全なルートを通らなきゃいけないから、それを見極めるために、もう少し時間がかかるかもしれない。

 とはいえ、そのあたりまではまだまだ数日かかる。

船は戦闘で撒かれた残留ミノフスキー粒子雲に入らなければ座標情報を入力してほとんどオートパイロットだし、

パイロットたるもの、無重力状態での筋力低下に備えたトレーニングは欠かせないけれど、それにしたって、暇だ。

持って来た映画のデータディスクはもうほとんど見終えちゃったし、

景色を楽しもうにも、どこまで言ったって星とデブリが浮いているくらいなもの。

動かす機会の訪れていないZガンダムの整備なんて、一回したら済んじゃったし…。

 あたしは船内の居住スペース、重力装置の稼働するエリアにあるラウンジでボーっとレオナを観察していた。

重力装置、なんて言っても、居住エリア全体が一種のポッドになっていて、

それが船の内側でぐるぐる回転して遠心力で重力っぽい物を生み出しているにすぎず、

ちょっと思い切りジャンプしたらすぐに振り切ってポッドの中に浮き上がってしまうんだけど。

 そんな中、レオナはジッとソファーに座って、虚空を見つめていた。

時折、おびえたような表情をしたかと思ったら、ぶんぶんと首を横に振って、ヘラッとにやけてみたり、

そうかと思えば、急におおきなあくびをしたり。まぁ、変に緊張しまくっているよりはいいんだけどね。

レオナもなんだか、開き直ってしまってるんだろうな。

 それにしても…

 暇だ…


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