過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/07/28(日) 23:45:45.99 ID:zKUMyycL0
「ねぇ、大丈夫?」
道を歩きながら、レオナが心配そうにマリを支えている。
あたし達は、マリを助けた場所からしばらくの航行で、サイド3にたどり着いた。
コロニー入りを管理していたエゥーゴの連中には怪しまれたけど、結局あたしの軍籍をカラバに確認してもらって、
なんとか許可が降りた。いちいち地球に確認するなんて、疑り深い指揮官だったなぁ。
こっちは、そんなこともあろうかと思って、
ちゃんとカラバのワッペン付きのジャケットを人数分用意して着込んでたっていうのに。
サイド3に着いてからすぐに、あたし達は都市部の喫茶店へと脚を運んでいた。
もちろん、マリとの約束を果たすためだったけど、はじけ飛んじゃうんじゃないかってくらい喜んだマリは、
ハンバーグのランチとデザートにチョコレートパフェを食べて少ししてから、気分が悪い、お腹が痛いと苦しみだした。
あたしも、マリが食べているときにちょっと気になってて、止めれば良かったんだけど、
要するに、宇宙旅行症候群、ってやつだ。
宇宙では、固形物を食べるよりも、栄養素を混ぜ込んで作ったチューブ食がメインの食生活になる。
大人でも、二本食べれば摂り過ぎなくらいで、長く宇宙にいると胃が縮小しちゃう、ってあれのこと。
マリがどんな生活をしていたのかはわからないけど、すくなくともずっとアクシズなんかに居たんだとしたら、
まともな固形物なんて、初めて食べるかもしれない。多少、気分が悪くなっても仕方がない。
「マリ、頑張って。もうちょっとで港だからさ」
あたしは青い顔をしたマリをそう励ます。
でも、マリは返事もしないまま、レオナにもたれるようにしておぼつかない足取りで歩いている。
これは、ちょっとかわいそうだな…。薬局でもあれば、胃薬の一つでも買ってあげられるんだけど…
もし、ひどい症状だったら、そんなのじゃ収まらない。病院に行って、点滴でもすれば早いんだけどな…
あたしはそう思ってあたりを見渡す。きれいな街並みではあるんだけど、どこか、寂れた印象のある街だった。
オフィスビルのような建物は、半分以上がカラッポ。
お店も、開いているのはまばらで、ほとんどはシャッターを下ろしてしまっている。
このコロニーは、連邦の管理下におかれてから、凄惨な事が起こっていたってことを、あたしは知っていた。
1年戦争以降、駐留していた連邦軍の兵士たちが、ここでどんなことをしていたか…
そんなの、いまさら言うまでもない。あたしは、なんとかできないかって、何度も思った。
でも、それもつかの間、ティターンズ将校でもあったあたしには地球降下の指令が降りてきて、
サイド3の心配ができるのも、それっきりになってしまっていた。
こんなことを考えてしまうのは、ひどいことだと思う。でも、あたしは考えずにはいられなかった。
―――レナさん、地球に残ってくれて、良かったよ…。
「マライア、やっぱり病院につれて行った方が良いかもしれないよ…」
レオナが不安そうな表情であたしに言ってくる。確かに、そうかもしれないね…
そう言えば、宇宙旅行症候群のひどいときって、食事のあとにショック症状が出て、
最悪死んじゃう、なんて話も聞いたことある。確か、胃腸に血液が回りすぎて、脳まで血が行かなくなるとかなんとか…
えっと、なんて言ったっけ、急性…ナントカ不全?
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