過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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457: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/07/30(火) 22:22:17.90 ID:tVi3RIMI0

病室の中に入る。

 心拍を刻む電子音と、人工呼吸器の音だけが、部屋に響いている。

 彼女は、ベッドに横たわっていた。あちこち傷だらけで…だけど、穏やかで、きれいな顔をしていた。

 頭に浮かんでいたのが、悪い妄想だったことに安心して、あたしは思わずため息をついていた。

 あたしは、マリの手を引いて、ベッドのそばに近づく。

 半透明の呼吸器マスクに顔が覆われているけど、彼女は、

マリやレオナと同じ色の髪、同じ透き通るような肌の色、同じ顔をしていた。

 「姉さん…」

マリが、そう口にした。あたしの手を離して、プルツーの顔に触れた。

それから、その手をプルツーの手に触って、キュッと握った。

「姉さん…」

マリはまたつぶやいた。

 マリ、まさか、この子を呼んでるの?…そんなこと、できるの?

 あたしは、マリにそう確認しようとして、言葉を飲み込んだ。

マリから、得体の知れない雰囲気がほとばしっていたからだ。この感じ…ニュータイプとしても、初めての感じだ。

まるで、何かを話しかけているみたい…長さを変え、波長を変えて、まるで、無線の周波数を合わせるみたいに、

意識を集中させている。

 「…んっ…!」

プルツーが、うめいた!

 あたしはその顔をじっと見つめる…でも、それっきり、彼女はまた、静かに呼吸をするだけだった。

 「ふぅ…」

マリが、大きくため息をつく。マリはそれから、フラッとバランスを崩した。

慌ててマリを抱き留めて、そばにあったイスに座らせた。マリは、うっすらと脂汗をかいている。


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