過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/07/30(火) 22:22:17.90 ID:tVi3RIMI0
病室の中に入る。
心拍を刻む電子音と、人工呼吸器の音だけが、部屋に響いている。
彼女は、ベッドに横たわっていた。あちこち傷だらけで…だけど、穏やかで、きれいな顔をしていた。
頭に浮かんでいたのが、悪い妄想だったことに安心して、あたしは思わずため息をついていた。
あたしは、マリの手を引いて、ベッドのそばに近づく。
半透明の呼吸器マスクに顔が覆われているけど、彼女は、
マリやレオナと同じ色の髪、同じ透き通るような肌の色、同じ顔をしていた。
「姉さん…」
マリが、そう口にした。あたしの手を離して、プルツーの顔に触れた。
それから、その手をプルツーの手に触って、キュッと握った。
「姉さん…」
マリはまたつぶやいた。
マリ、まさか、この子を呼んでるの?…そんなこと、できるの?
あたしは、マリにそう確認しようとして、言葉を飲み込んだ。
マリから、得体の知れない雰囲気がほとばしっていたからだ。この感じ…ニュータイプとしても、初めての感じだ。
まるで、何かを話しかけているみたい…長さを変え、波長を変えて、まるで、無線の周波数を合わせるみたいに、
意識を集中させている。
「…んっ…!」
プルツーが、うめいた!
あたしはその顔をじっと見つめる…でも、それっきり、彼女はまた、静かに呼吸をするだけだった。
「ふぅ…」
マリが、大きくため息をつく。マリはそれから、フラッとバランスを崩した。
慌ててマリを抱き留めて、そばにあったイスに座らせた。マリは、うっすらと脂汗をかいている。
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