過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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469: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/04(日) 13:00:46.92 ID:rbswC/840

  それから二週間後、一人、サイド3の港にいた。

「悪いな、見送りなんて」

ジュドーがそう言って笑いかけてくる。

「ううん。まぁ、一応ね」

あたしは肩をすくめて答える。

 彼、まだ若いから素朴で、それでいて素直だから、なんだか好感が持てた。

 ブライトさんに聞いた話では、エゥーゴと連邦の軍の高官が参加する会議で、ブライトさんをぶん殴ったらしい。

事情はあんまり詳しくは話してくれなかったけど、その会議で扱われていた議題に腹を立てたって話だ。

殴っちゃうのは良くないけど、でも、そんな場でも自分を貫けるってすごいことだ。若さだね。

 「じゃぁ、プルツーのこと、たのみます」

ジュドーはそう言ってきた。

「うん。任せて」

あたしが言うと、彼はすっきりした顔で笑った。

 彼はこれから、ネオジオンの残党の対応のために、また宇宙へ行く。

あたし達はつい一昨日、彼からその話を聞かされて、いまだに目を覚まさないプルツーのことを頼む、と言われた。

そんなこと、頼まれないでもやるつもりだけどね。

 「それより、ジュドーこそ、気をつけてね」

あたしは、むしろそっちの方が心配だった。

ニュータイプなのは分かったんだけど、モビルスーツの操縦のことは分からない。

ブライトさんの話じゃ、結構なもんだって事らしいけど…でも、やっぱり戦場へ行く人を見送るのは、心配だよ。

一緒にいければ、絶対に死なせない自信があるだけに、ね。

 ジュドーはあたしの言葉に空笑いを返してきて

「大丈夫ですよ。必ず、帰ってきます」

と言って手を差し出してきた。

 あたしはその手をぎゅっと握って、ジュドーを見送った。


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