過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/08/10(土) 19:55:15.31 ID:Wzwnx14z0
バタバタと足音が聞こえて、ドカン、と病室のドアが開いた。
あたしはビクッとして、剥いていたリンゴを取り落としそうになって振り返った。
そこには、ジュドーくんが居た。
「プルツー…!」
ジュドーくんは、プルツーを見るなり、ウルウルと目に涙を溜め始めた。
「お兄ちゃん!」
プルツーはまるではじけ飛ぶみたいにベッドから飛び起きると、ジュドーくんに飛びついた。
ジュドーくんが涙をこぼすよりも早く、プルツーの方がジュドーくんに顔をうずめてワンワンと泣き出した。
ジュドーくんは、そんなプルツーを優しく抱きしめて、頭を撫でてあげている。
…お兄ちゃん、ってどういうこと…?
あたしは、頭にふっと湧いたそんな疑問を、とりあえず隅に追いやって、二人の再開を眺めていた。
なんか、あれだな…こういうのって、見てるとすごく嬉しい気持ちになって来るよね…。
どれくらい経ったか、プルツーは泣きやんで、そっとジュドーくんのそばを離れた。
「プルツー、お前、大丈夫なのか?」
ジュドーくんの問いかけに、プルツーは笑って
「うん、なんだか、変な感じだけど」
と答えた。
「変な感じ?」
「うん…一人じゃないみたいなんだ、わたし」
プルツーは、自分でも不思議そうな顔をしてジュドーくんに言った。
一人じゃ、ない…それって、マリや、他のプルシリーズがどうのこうの、って話とは、違うよね…?
あたし達と一緒にいたから、ってことでもないんだろうな…きっと。あたし、その感じ、たぶん、分かる…
「どういうことだよ?」
ジュドーくんが聞いたら、プルツーは自分の胸に手を置いた。
「ここにいるんだ、プルが」
「え?」
うん、知ってた…。マリとケンカになったあとに、感応したあたしとは別に、あなたの中には別の思念があった。
それはとても穏やかで、優しい誰か。ううん、あたしは、それが誰かも分かっていたのかもしれない。
まだ不安定なプルツーを支えるために、レイチェル、エルピー・プルが遺して行ったんだね。
「うまく言えないんだ。でも、わたしのここに、プルもいるの」
「…そっか」
たぶん、ジュドーくん、あんまり意味分かってないだろうけど、でも、すごく優しい目をして、
またプルツーを抱きしめた。なんだろうな、この14歳。すごく大人に見える…お兄ちゃん気質、なんだね。
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