過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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533: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/12(月) 21:16:45.22 ID:nGGHAbg30

 数時間後、私は病院のベッドにいた。隣には生まれたばっかりのレオナが、寝息をたてている。

母親になる、なんて、一年前までは想像もしてなかったな…

4年前に、シャトルの事故で、宇宙線に長時間晒されて、

なんとか帰還してからの検査で、大学時代からの友人だったユリウスに告知されたのが、卵細胞異常だった。

 それから、宇宙線の影響なのかショックなのか、何ヵ月も寝込んだのを覚えてる。

ユリウスはそんな私のところに、毎日お見舞いに来てくれた。

そのお陰で私は元気を取り戻して、なんとか、立ち直ることが出来た。

 その後、私の論文をドクターフラナガンに紹介してくれたのもユリウスだ。

彼女には助けてもらってばかりで、頭が上がらないのが正直なところだけど、

そう言うのを嫌う彼女なので、今はそんなことは気にせずに、友達として一緒にいる。

そんなユリウスが、病室に顔を見せた。

「よっ!お母さん!」

冷やかすように、そんなことを言ってくる。

「あら、いらっしゃい、パパ」

言い返してやったら、ユリウスはカカカといつものように笑って

「そんな趣味はねえよ」

だって。強がりなのは知ってんだよ?私のこと、好きなクセに。

ユリウスが、私のベッドの枕元にあったイスに腰掛ける。私の顔を覗き込んでニカッと明るい笑顔を見せると

「母親って、どんな気分なんだ?」

と聞いてくる。

うん、うまく説明できないんだな…何て言うか、もうとにかく暖かくてそれでいて、強くなった気分。

思ったその通りを伝えたらユリウスは、また声を上げて笑って

「それ、母子同一期っていうんだって知ってた?」

だって。

「心理学用語でしょ?あんたは、どうしてそう、ロマンのないこと言うのかなぁ?」

「科学者に必要なのは感情的になることじゃなくて、夢見ることだ」

「なっ…くっ、それはロマンな言い方だ…!」

悔しい、言い負かされた。こうなったら、急所を突いてやる!



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