過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/08/14(水) 22:59:30.12 ID:p5dyD009o
この時間も、そう長くは続かないだろう。ニュータイプの実戦投入の準備が整いつつある。
時が来れば、レオナも、私達を殺してだって、連れ出される。反抗すれば、強化手術と言う手法もある。
チェックメイトまで、あと数手、だ。私たちにはもうほとんど、打つ手はない。
「ママ、ユーリ」
レオナが静かに口を開いた。
「ん、どした?」
ユリウスが、レオナにそうたずねる。
「…私、怖い…」
レオナは震える声で、そう言った。
「人の声が、たくさん聞こえる。苦しい、怖い、ってそう言ってる…」
腕の中のレオナは、かすかに震えていた。
ニュータイプ能力で感じるんだ。戦死者の声を、苦しみを…。
私は、レオナにまわした腕に力を込めた。
「大丈夫だよ、レオナ。私とユーリがついてる。怖がらなくっていい」
「そうだな。いざとなったら、三人で逃げ出しちまえばいいさ」
ユリウスも、そう言ってくれた。逃げ出すことすら、簡単ではない。当然、私達は見張られているだろうから。
そう、だから、もしものときは…レオナ、あなただけでも、生きていれば、それで…。
それで、いい。
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