過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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575: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/14(水) 23:02:26.63 ID:p5dyD009o




 それらしい資料を見てからのレオナは大変だった。頭を抱えて苦しむわ、泣いたり笑ったり錯乱するわの大騒ぎ。

あまりの騒ぎに起きてきたマリがレオナを見たときの怯えた表情もかなり壮絶だった。

なんとかレオナを落ち着けた頃にはあたし達は再びサイド3の港に到着して、シャトルをケージに係留し終えていた。

「大丈夫?」

あたしは、ギャレーで淹れた紅茶にハチミツをいっぱい入れてレオナに差し出す。

レオナは黙ってうなずきながら、それを口に運んでため息をついた。

それから、沈んだ声色で一言

「私、記憶操作、されてたんだね…」

と、呟いた。

違和感は感じていた。

レオナは昔の話をたくさんしてくれてきたけど、

そのどれもが断片的で深く聞こうと思えば思うほどうやむやな言葉ばかりが出て来ていた。

レイチェルのことも、両親のことも。本当に確かだったのは、マリ達のことだけだった。

あるいは、それが記憶を操作される直前の、一番新しい鮮明なものだったからなのかもしれない。

 人為的に隠されていた記憶が噴出したときのショックを考えれば、あんなに取り乱したって仕方ない。

 それにしても…あたしは、これまで目を通してきた記録を思い出す。

レオナは、間違いなく、そのアリシア・パラッシュという研究者に愛されていたんだ。

それこそ、アヤさんがレナさんやレベッカを守ろうとしたように、アリシア博士は、命をかけて、レオナを守って、

地球圏に送り出した。同僚の亡命を手助けして…。彼女に、どんな覚悟があったんだろう。

 自分の立場や、命や、仲間や、そういう大事なものを振り捨ててまでレオナを助けようとした彼女は、

まるで、あたしやアヤさん達がしてきたことと一緒だ。でも、彼女はあたし達とはちょっと違う。

たった一人で、誰の支援もない中で戦い抜いたんだ。

アヤさんやレナさんのために、あたしは自分の命を掛けられるかな…

そりゃぁ、いざとなったらやるかもしれないけど…でも、絶対にそれ以外の道を必死で探すだろうな。

それは、良い言い方をすれば諦めないってことだけど、素直な気持ちをいえば、恐いからだ。

出来ればそんなシチュエーションには遭遇したくない。



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