過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
1- 20
587: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/08/15(木) 22:12:55.08 ID:oUgkPfPRo

 その二日後、あたし達は、港でジュドーとお別れをすることになった。

 プルツーは最後まで泣かなかった。泣くのをずっと我慢していたけど、それでも、泣かずに、

出来るだけ笑顔でいた。それはやせ我慢なんかじゃないってのは、なんとなく伝わってきていた。

プルツーは、ジュドーくんといるのが、本当に楽しかったんだな…

だから、たぶん、最後まで彼と笑って過ごしていたかったんだろう。

 シャトルに乗り込んで、ケージがシールされて、宇宙へ続くハッチが開く。

窓の外のジュドーくんが、どんどん視界から遠ざかって行って、ついには見えなくなった。

 そのとたん、プルツーは大声を上げて泣き出した。まぁ、そうなるよね…良く頑張ったね、プルツー。

あたしは、彼女の頭をなでてやる。と、フワリとあたし達の前に、マリが浮いて来た。

マリは、プルツーの後ろからそっと彼女の肩に両手を置いた。それからそのままマリは、後ろからプルツーを抱きしめる。

 マリは、何も言わなかった。プルツーも何も言わなかった、大声で泣いてはいたけど。

もうしかしたら、「アレ」で語りかけてるのかな…

あたしは、二人に感応しようと思って、感覚を研ぎ澄ませ始めたところで、思いとどまった。

二人の関係に、あたしが入り込むなんて、無粋かもしれない、なんてことを思ったからだ。

せっかく、マリがプルツーを慰めようとしてるのに、水を差したくなんてない。

マリだって、いろんなことを考えてるんだ。

彼女なりに、姉で、自分自身でもあるプルツーを助けたいって思ってるんだろう。

手を貸してあげるのは簡単だけど、それって、違うよね。

 レオナも言ってたし、隊長も言ってくれたし、あたしもそう思う。

自分に何ができるのかって、それを考えることが大事なんだ。それがきっと、この子達を大人にしてくれる。

お手本になれるかどうかわかんないけど、あたしやレオナが、すこしだけそうなれたみたいに、ね。

 あたしは、マリの肩を叩いた。マリが顔を上げてあたしを見る。

「プルツーを、お願いしても良い?」

あたしが聞いたら、マリは穏やかな笑顔を見せて、小さくうなずいた。

 あたしは、プルツーをマリに託して、レオナの手を引いて操縦室へと向かった。のんびりもしていられない。

すぐに、カラバにエゥーゴに連邦のデータベースへアクセスして、情報を漁らなきゃいけない。

エビングハウス博士が今、どんな状態にいるかわからないんだ。

 場合によっては、人呼んでカラバの隠し兵器、ティターンズのお喋り悪魔、連邦の泣き虫エースのこの

マライア・アトウッドが、邪魔するやつを根こそぎぶっ飛ばしてやる!

ジオンだろうが、アクシズだろうが、連邦だろうが、たとえエゥーゴやカラバだって、

一緒に居たいって家族を邪魔するんなら、あたしは絶対に許さないんだからね!




 


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
837Res/1090.45 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice